佐渡島庸平 今月の「この本にひとめ惚れ」『戦下の淡き光』『分断を生むエジソン』『みみずくは黄昏に飛びたつ』
公開日:2020/4/3
『ダ・ヴィンチ』本誌の人気連載コーナー「この本にひとめ惚れ」から、コルク代表・佐渡島さんのひとめ惚れ本を紹介。『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』といった大ヒット作品を世に出した天才編集者・経営者が“ひとめぼれ”した本をチェック!
『戦下の淡き光』
マイケル・オンダーチェ:著
田栗美奈子:訳
作品社 2600円(税別)
装丁:水崎真奈美(BOTANICA)
編集担当:青木誠也
大学生の頃に好きだったマイケル・オンダーチェ。もう70代だそうだが、新作が出ていることが嬉しい。装丁が実に渋い。タイトルさえも慎ましやかだ。
『分断を生むエジソン』
北野唯我
講談社 1500円(税別)
装丁:小口翔平、喜來詩織、岩永香穂(tobufune)
装画:三村晴子
編集:山中武史
抽象度の高いテーマを物語形式で語ったビジネス書。北野さんにはビジネス文学の才能を感じる。
『みみずくは黄昏に飛びたつ 川上未映子 訊く/村上春樹 語る』
川上未映子、村上春樹
新潮文庫 750円(税別)
装丁:新潮社装幀室
編集:寺島哲也
【青山ブックセンターにて彷書】
<プロフィール>
佐渡島庸平(さどしま・ようへい)
1979年生まれ。東京大学文学部を卒業後、2002年に講談社に入社。
週刊モーニング編集部にて、『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)、『16歳の教科書』など数多くのヒット作を編集。
インターネット時代に合わせた作家・作品・読者のカタチをつくるため、2012年に講談社を退社し、コルクを創業。
従来のビジネスモデルが崩壊している中で、コミュニティに可能性を感じ、コルクラボというオンラインサロンを主宰。
編集者という仕事をアップデートし続けている。
●Twiter ID:@sadycork
写真=首藤幹夫
取材・文=田中裕