仕事も子育ても手一杯で「先のことなんて…」という人にすすめたい、人生を楽しむ方法
公開日:2020/3/27
「私のキャリアって、このままでいいのかな?」
「保育園のお迎えに走って帰っていく先輩。私には無理かも…」
「仕事には満足しているけれど、プライベートがぼろぼろ。この先どうしよう?」
自分のキャリアについてこんな悩みを抱える読者にヒントを与えてくれる本が、『最強のライフキャリア論。 人生まるごと楽しむための思考法』(岩橋ひかり/時事通信社)だ。キャリアコンサルタントである著者の岩橋さんは、“女性がライフステージの変化に柔軟に、才能を活かしながら幸せに生きていける社会にしたい”という目標を掲げる。
岩橋さんがこのテーマに情熱を燃やすのには、理由がある。彼女自身が産休と育休を経てワーキングマザー当事者となったとき、人事部門にいたことで男性管理職の本音と建前の差を実感したり、時短勤務で劣等感を抱えたりした実体験があるからだ。だからこそ、決して上から目線ではなく、読者に寄り添ってキャリアをサポートしてくれる視点がうれしい。
自分らしいキャリアを築いていくためには、まず思い込みを取り払って、理想を描き、そして行動することが大切だと岩橋さんはいう。本書を読み進めながら、途中で紹介されるワークに取り組んでいけば、読了するときには具体的なキャリアが見えてくることだろう。例えば、こんなワークが紹介される。
「部屋が散らかっていることが嫌、時短勤務で肩身の狭い思いをして働くのが嫌、夫が家事に非協力的なことが嫌…」など、数個はすぐに浮かぶが、100個は意外と難しい。書き出してみると、嫌なことは人によって大きく異なっていることがわかる。他の人と比べてみれば、そこから自分らしさが見えてくることもあるだろう。
そのほかにも、グラフを書いてみたり、テーマに沿って付箋にアイデアを書き出してみたりといったワークが示される。これらを通じて、実践的にキャリアを思い描き、行動に移してみてはどうだろう。
本書は、3人の女性登場人物を中心に、ストーリー形式で進む。彼女らのメッセージアプリのやり取りが画像で掲載されており、身近に感じながら読み進めることができる。
“本書でお伝えしている思考法やワークは、新たな転機に直面したとき、あるいは心にちょっとしたモヤモヤや漠然とした不安を感じたときなど、どんな状況においても活用できるもの”
あなたがもし日々の生活に漠然とした“モヤモヤ”を抱えているのなら、まず本書を手に取ってみてはいかがだろうか?
文=えんどーこーた