今の時代、婚活はマッチングアプリで! 結婚相手をアグレッシブに探すヒロインに勇気付けられる婚活ラブコメとは
公開日:2020/3/31
昨今、マッチングアプリを利用した婚活が当たり前になってきた。少なくともアラサーの私の周囲では、マッチングアプリを利用した婚活がさかんだ。「出会いがない…」「一生独身かも…」と嘆いていたはずの友人たちがマッチングアプリで素敵な彼氏を見つけ、あっという間にゴールイン…という例もひとつやふたつではない。「マッチングアプリって要は出会い系?」「遊び目的の出会いしかないのでは?」という感覚はきっともう古い。マッチングアプリでの婚活には今や無数の可能性が秘められている。新しい婚活の方法として、マッチングアプリは、今、確かな地位を築き始めているのだ。
そんなマッチングアプリを使った婚活を描いたラブコメ漫画『永妻花はマッチングしたい』(ぱんぷきん/LINEマンガ)が今、話題を呼んでいる。「すてきなハナヨメさん」になることが子供の頃からの夢、という26歳のヒロイン・永妻花が、マッチングアプリを使って婚活に挑んでいくのだが、その様子がなんとも面白いのだ。
ボルダリングが趣味の体育会系男子、倹約家の年下男子、職業・消防士の硬派男子、「結婚の何がいいかわからない」と言い切る自由系男子、「初恋の女性が忘れられない」というナルシスト系男子…。花はマッチングアプリを通じてさまざまなタイプの男性と出会っていく。そんな花の恋模様に、アプリを利用したことがない人は、「マッチングアプリって、こんなにもいろんなタイプの男性に出会えるのか」と、驚かされるに違いない。
一方で、マッチングアプリ利用者は、時に「こんな男いるいる!」だとか「ああ…こういうことで私も悩んだことある…」と共感させられたり、時に「現実のアプリでも、こんなイケメンに会えたらいいのに…」と嘆きたくなったり。アプリ利用者も利用したことのない人も、花が出会う男たちに、ツッコミを入れずにはいられなくなるのだ。
特に印象的なのは、母親と仲が良すぎる文系男子・進藤昌也。昌也は真面目で誠実。読書が趣味でカフェが好きという彼は、インドア派の花と相性も良さそう。だが、2回目のデートで、昌也は花を彼の母親と対面させる。続く、3回目のデートの帰り、花がドキドキしながら、昌也の家に行くと、なぜかそこにはまたもや彼の母親が…。
お風呂もパジャマもお布団も張り切って用意してくれていた昌也の母親は、話してみると、決して悪い人ではなさそう。「あたしがしているのは恋愛じゃなくて婚活だ。ときめきは手に入らなくても優しいお姑さんができるなら…」と花は思うのだが、しかし…。あなたは、昌也をマザコンと捉えるだろうか、それとも、母親思いと捉えるだろうか。すぐに匙を投げるか、はたまた、「育てればいい男に育つに違いない」と考えるか。その捉え方はきっとそれぞれであるに違いない。
運命の人は待っていても現れない。ならば、自分から探さねばならない。マッチングアプリを使えば、花が経験したようにたくさんの出会いが待ち受けている。「自分にはどんなタイプの男子が合いそうか」と考えながら読めば楽しさ倍増。マッチングした人と上手くいかなくても、すぐに次の出会いを求めるアグレッシブな花の姿に時に何だかこちらまで勇気付けられる思いがしてくる。
本作は、電子コミックサービス「LINEマンガ」にて毎週土曜日に連載中。婚活をするすべての人に読んでほしい作品。
文=アサトーミナミ
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