「男が1割しかいない世界」は天国か地獄か? 異性にまつわるたくましい妄想力で世界を一新!
公開日:2020/4/5
「もし、ドラえもんの道具がひとつだけもらえるなら」
「もし、自分が世界にひとりだけの男だったら」
「もし、男の自分が妊娠できたら」
といったちょっとくだらない妄想をするのは楽しいものだ。「そんな時間はもったいない!」と思った方もちょっと待っていただきたい。妄想することで、新たな視点が見つかったり、人間関係や仕事のヒントが見つかったりすることもあるのだ。
例えば、自分が欲しいと思ったドラえもんの道具を現実世界で作り出すことはできないか? 同じものを作ることはできなくても、それに近い道具は作れるかも…と考えを突き詰めていくと新たなビジネスチャンスが生まれるかもしれない。こういった面では、妄想にもメリットがあるのだ。
とはいえ、いきなり「妄想してみよう」といわれても、何をすればいいかわからないもの。そんなときにはぜひ『学校では教えてくれない 異性のヒミツ』(セカイノフシギ/KADOKAWA)を読んでみてほしい。本書は、漫画系YouTubeチャンネル・セカイノフシギが、YouTubeに投稿してきた「こんな世界ってどうだろう?」というさまざまな妄想ネタを収めたもの。
この本を読むと「自分だったらこうかな?」「いや、こうした方がもっと…」と妄想が膨らんでいくはずだ。本稿ではその一部を紹介しよう。
「もし世界に1割しか男性がいなかったら…?」
さて、9:1の割合で女性が圧倒的に多い世界。もし、自分がたった1割の男性だったらどうなるだろう? 大勢の女性に囲まれている世界なんてうらやましい…と、お殿様気分を味わう妄想も楽しいかもしれない。だが、そんないびつな世界は何かしらの不安要素を抱えているはずだ。
人数が少ない男性は、小さい頃から蝶よ花よと大事に育てられるだろう。子孫を残すために男性を取り合う女性たち。「自分のために争わないで!」が誇張ではなくリアルに叫ばれるような熾烈な競争が生まれる可能性もある。
また、人数が少ないからこそ、男性内の格差は厳しくなる可能性もある。才能がある者は、より多くの富や名誉を手に。持たざる者は、羨望の眼差しで見ているだけ…。もし負け組となってしまったら、いつまでも満たされない感覚をもって生き続けなければならない。
ここまで考えてみると、必ずしも良いシチュエーションではなさそうだ。とはいいつつ、女性に囲まれて暮らすロマンも夢見てしまう。まぁ、妄想なのだけれども…。
「もし男性も子どもが産めるようになったら?」
女性は自分のお腹を痛めてわが子を出産する。どうひっくりかえっても男性には体験することができないことだ。だがこの出産を、もし男性が体験できるとしたら…。
よくいわれるのは、男性が出産時の強烈な痛みを味わうと、「死ぬ」か「失神する」というもの。つわりも陣痛もつらい。情けないことは重々承知だが、ただただ恐ろしい。自分を産んでくれた母の偉大さを感じざるを得ない。
しかし、すべてがつらいだけではないはずだ。自分が大変な思いをして出産すれば、誰よりも子どもが愛おしくなるかもしれない。あくまでも妄想に過ぎないが…。
こんな妄想を広げていけば、大変な思いをして子どもを産む女性に改めて尊敬の念を抱くのは当然だ。そして、ただ「つらそう」「大変そう」で想像を終わりにするのではなく、「妊婦さんに席を譲ろう」「奥さんの家事負担を考え直そう」と具体的な行動をしてみたい。ここまでくれば、「一流の妄想師」と名乗ってもよさそうだ。
本書にはこの他にも、「もし結婚相手をランダムに決める世界だったら」「もしスマホがなかったら」といった、全15項目の妄想トピックが収められている。さらに「胸が大きい人と小さい人の苦労の違い」「結婚のメリットとデメリット」など、妄想を手助けするための知恵袋的コラムも掲載されている。
妄想とは想像すること。想像は、きっと“創造”につながる。ちょっとカッコつけすぎたかもしれないが、何もすることがない週末に、妄想に勤しむのも悪くないだろう。
文=冴島友貴