目が見えなくなっていく病の進行とともに、手放さなければならないもの/『最初に夜を手ばなした』②

文芸・カルチャー

公開日:2020/5/8

生まれつき耳が聞こえない。次第に視力も失われていく――。難病と向き合いながらも前向きに生きようとする著者の、自身の半生を独創的な文章とイラストで描いた絵本です。

『最初に夜を手ばなした』(椿冬華/マガジンハウス)

耳が聞こえず、目が見えなくなっていくことを想像したことはあるでしょうか。
先天性聾唖により生まれつき耳が聞こえず、右目は幼い頃に失明。さらに、左目もアッシャー症候群により次第に視力が失われていく…。著者は自身の状況を老化現象の先取りと捉え、誰の身にも起こることだと訴えます。
そのような自身の半生を絵と文で綴りTwitter上に投稿すると、3万人以上の共感呼び、人々の心を動かしました。
本書はその投稿をもとにした絵本仕立ての1冊です。
彼女の心の叫びが、皆さんの心に届きますように。




<第3回に続く>