リモートワークの普及で仕事は成果主義に! なるべく頑張らずに給料を上げるには?

ビジネス

公開日:2020/4/28

『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(ひろゆき/学研プラス)

 新型コロナウイルスの影響は、これからの働き方に大きな影響を与える。そのいちばん大きなものが「成果主義」への移行かもしれない。リモートワークやフレックスタイムの導入で、働き方の自由度が増している。会社は、社員の労働時間を厳密に管理することがむずかしくなる。その結果、「会社のデスクに座っている時間」ではなく、「その人が実際に出した成果」で評価されるようになっていく。

 本書『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(ひろゆき/学研プラス)は、そんな成果主義の時代を“頑張らずに”生きていく方法を説く。成果主義は、成果さえ出していれば、長い時間働く必要も、常に頭をフル回転させている必要もない。著者のひろゆき氏は、動物の“なまけもの”のように、楽にのんびり生きながら、きちんと仕事でお金を稼いでいる。そんな彼の戦略の一端を紹介しよう。

「頭は仕事に使うもの」という幻想を捨てる

 仕事で頭を使いすぎ、帰宅してから何もやる気が起きない。そんな悩みを抱える社会人は少なくないだろう。ひろゆき氏は、まず「頭は仕事に使うもの」という幻想を捨てるべきだと語る。1日8時間働いているとして、「頭を使っている」時間はどれくらいあるだろうか。どんな仕事にもある程度の「型」があるはずだ。その「型」に従って行動しているとき、それほど頭を使っているわけではない。そんなときまで「没頭」「熱中」して、仕事をする必要はない。むしろ、過度な思い入れがないほうが質の高いこともある。著者は、頭のほとんどを遊びに使い、残りで仕事をするくらいでちょうどいいという。

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「できない自分」を前提に動く

 自分の能力に自信がある人は、仕事で壁にぶつかったとき、自分でなんとかしようとしてしまう。だが、ひろゆき氏は、「できない自分」を前提にし、積極的に得意な人に任せるべきだという。そのほうが、自分でやるよりも時間短縮になるし、最終的な成果が高くなるというのだ。また、何かを決めるとき、判断に迷ったらデータを根拠にすることも心掛けたい。企画会議などで、自分の経験や直感で語る人がいるが、データがあったほうが説得力も成功率も段違いである。自分のできること/できないことを明確にし、実際に自分が手を動かすべき範囲を決めよう。

 自分自身が努力し、優秀になる。それだけが成果を上げる方法ではない。伸び盛りの市場に身を置き「波に乗る」ことも重要だし、やりたくないことはどんどん他人に任せたっていい。本書では他にも「そもそも『遅刻』は悪なのか?」「明日できることは、今日やるな」などひろゆき氏の独特な人生観が語られる。最初は「ほんとうに…?」と疑いたくなる極論もあるが、著者の論理を読み解いていけば不思議と納得してしまう。「仕事は真面目にやらなくてはダメ」「人は努力して成長すべき」と考えている人ほど、本書を読んで肩の力を抜いてほしい。

文=中川凌