辞める前に転職活動を始めるメリット。まだ悩んでいる人もするべき理由/『新しい転職面接の教科書』⑧
公開日:2020/5/5
面接において、一番理解しておくべきことは「面接には作法がある」ということです。「いやいや実力があれば関係ないでしょ」と思われる方もいるかも知れませんが、そんなことはありません。目からウロコの「採用の本質」を知って最強の内定を手に入れませんか。
転職活動の効用
×これ誤解です 辞めるときでないと活動すべきでない?
会社がなくなるスピードが速くなっているのに、人間の寿命は延びているから転職は大前提になっています。定年年齢も引き上げられ、今この本を読んでいる人たちはこれから先、長い仕事人生が続いているということを認識している人が大半だと思います。ですから、自分のキャリアを可視化するということが相当重要で、「はじめに」でも書いた通り、今すぐに転職をすること自体はさておき、転職活動自体はみんな絶対にした方がいいと感じています。
僕は、初めての転職活動を新卒入社後2年たった頃にしました。転職サイトに登録したところ、スカウト案件がいくつか来て面接にも行ったのですが、そのとき初めて社外の人にいかに自己紹介ができないかを痛感しました。頑張って自分のやりたいことや経験を話すのですが、面接官は全くピンと来ていないのです。なぜ伝わらなかったのか、それは以下のことが挙げられます。
・自分がやってきたことを表現することが練習できていなかった
・新規事業の起ち上げをやっていたため企画も開発も営業も運用も全てやっていたが、その全部を伝えようとしすぎて、逆に「中途半端な人」という印象を与えてしまった
また、仕事の成果は他人に評価されて初めて価値がつきます。「わかる人にわかればいい」というスタンスは、自分の価値を下げかねません。そのとき、自分のキャリアを満足いくものにしていくためには、職務経歴書の部分に自分の実力を埋められるくらいにはしないといけないと思いました。
1度転職活動をすることで、自身の職務経歴の棚卸しができます。
会社を移るべきか、残るべきか
また、会社を出るべきか残るべきか長い間悩んでいるような人にも、まず転職活動を始めてしまうことをおすすめします。転職に限りませんが、何かを変えるのは誰しも怖いことです。ずっと悩んでいるような人は、怖い気持ちが勝ち、結論、現状を変えない方が心の平穏は保てるため、それを続けているだけという人も多いのではないでしょうか。ですが、それは「変化したときのよさ」を知らない選択であることは事実です。こういう状況だと会社に留まっている自分を正当化したいので、転職失敗の情報ばかりを自然と集めるようになるのです。それならば、動かないで今の会社にいるより、「転職活動をし、内定とったけれどこれを断ってこの会社に居続ける」という選択もあるのではないでしょうか。僕自身、最初の転職活動で内定こそ取らなかったものの、「行かない」と決めたことによって元いた会社で活躍することができました。これは紛れもない事実ですし、これは絶対ポジティブです。決断をちゃんとすれば、会社が変わらなくても自分が納得してここにいると思えるからです。
自分のリブランディングができる
また、転職の効用については、「自分の実力は同じなのに、初対面の人と新しい場所で仕事することで、キャラを変えてリスタートできる」ということが挙げられます。
正直、新卒で入社して、仕事ができないというところからスタートすると、キャラってなかなか変えにくいというのが実際です。僕も「後輩キャラ」でサイバーエージェントに入社したので、未だにサイバーエージェント時代の先輩に会うと、そのキャラクターが出てきてしまいます。
ですが、仕事をする上で、「自分のキャラクター」はすごく大事なものです。今のあなたのキャラクターが、あなたにとってポジティブなものでなくて変えたいのであれば、転職はそれを変える大きなきっかけになります。
転職によって、自分で新しい自分をつくりだせるのです。自分をリブランディングする、このきっかけとして転職は最強です。
転職デビューしよう
「大学デビュー」「社会人デビュー」という言葉があるように、「転職デビュー」という概念があります。現職の人に揶揄されても、決してくじけないでください。あなたの価値は過去ではなく未来にあります。過去を悔やむのではなく、未来への期待をしましょう。転職活動は人生を変えるきっかけになります。人生を変える方法はたった3つです。「使う時間」「付き合う人」「住む場所」のいずれかを変えることです。転職活動は2つを一度に変える可能性があります。くどいようですが、「転職」をするかしないかは別の話です。まずは、自分の可能性を確かめに一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
アドバイス:転職活動は定期健康診断のようなもの