天皇に苗字や姓が無い理由は? 皇族の名前の仕組みを解説/毎日雑学
更新日:2021/10/29
身近なのに意外と知らない身の回りのモノの名前の由来や驚きの事実。オフィスで、家庭でちょっと自慢したくなる、知っておくだけでトクする雑学を、毎日1本お届けします!
今回は「天皇に苗字や姓が無い理由は?」ということで、皇族にまつわる雑学を紹介します。
日本国民にはそれぞれ姓や苗字があるのに、天皇や皇族の方々には苗字が無いのを不思議に思ったことはありませんか?
テレビなどのメディアでも「天皇陛下」や「徳仁様」と呼んでいますし、皇族の名前の仕組みについては謎な部分も多いですよね。また、宮家には秋篠宮、三笠宮、桂宮、高円宮がありますが、実はこの「~~宮」についても苗字や姓ではないのです。
天皇とは?
天皇は日本国憲法では「日本国の象徴」と習いましたが、あまり具体的に習ったことはありませんよね。
天皇に苗字や姓が無い理由にも関係がありますので、まずは「天皇とは?」というところから解説していきます。
日本の初代天皇は「神武天皇」であり、西暦76年に誕生しました。
現在は上皇である「明仁様」は125代目の天皇であり、今上天皇である「徳仁様」はなんと126代目の天皇になるのです。そして、実は天皇という言葉が用いられるようになったのは7世紀後半のことでした。
第40代の天皇である天武天皇の時代に、中央集権国家の君主として「天皇」という言葉を用いたのが始まりだったとされています。
歴史の授業でも習ったと思いますが、それまでの日本では天皇は「大王(おおきみ)」と呼ばれていました。現代では政治の実権などを握っている訳ではありませんが、昔は「天皇」が国の頂点であり、政治の実権なども握っていたんですね。
天皇に姓や苗字が無い理由
続いて天皇に姓や苗字が無い理由について解説していきます。
今上天皇である徳仁様にはもちろん苗字がありませんし、皇后の雅子様も皇室に入られてからは苗字がなくなったのは不思議ですよね。
【唯一無二の存在だから】
まず、第一の理由として挙げられるのは、天皇が「唯一無二の存在」であることです。
日本の皇室はひとつの家系が脈々と受け継がれてきた「万世一系」であり、姓や苗字を名乗って他の世帯と区別する必要がありません。
例えば、我々のような日本国民は同じ名前の人がいた場合、苗字、あるいはその家系によってその人を区別しますよね。しかし、そもそも皇族で明仁様と言えば、日本に一人しかいないため、わざわざ姓や苗字を名乗る必要が無いのです。
また、日本国民には戸籍というものがありますが、天皇家には戸籍というものは存在しません。その代わり「皇統譜(こうとうふ)」というものが存在し、そこに代々名前が刻まれているのです。
そして、天皇家の名前が記された唯一の家系図であることから、この皇統譜が万世一系の象徴にもなっています。
ちなみに、天皇家の祖は皇祖神と呼ばれる神だと考えられており、皇統譜を遡ると皇祖神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)の名前も記されているそうです。
【苗字や姓を授ける側だから】
第二の理由として、天皇が権力者であり、苗字や姓を授ける側の存在だったことが挙げられます。
古代の日本では苗字や姓を名乗れるのは、一部の権力者や特権階級だけでしたよね。
そして、一部の権力者や特権階級に苗字や姓を授けていたのは天皇だった考えられています。天皇は全ての権力者の頂点に立つ存在であり、天皇より上の位がなく、天皇に姓や苗字を授ける存在がいなかったことが理由となっているんですね。
苗字はないが称号と宮号がある
皇族には姓や苗字がありませんが、その代わりに「称号」や「宮号(きゅうごう)」というものがあります。
【称号とは?】
まずは「称号」についてですが、称号は天皇や皇太子の子供に与えられるものです。明仁様も皇太子になられる前までは「継宮(つぐのみや)」という称号をお持ちでした。
そして、徳仁様も皇太子になられる前には「浩宮(ひろのみや)」という称号をお持ちでした。
【宮号とは?】
続いて「宮号」についてですが、宮号は皇族の男子が独立をして生計を立てた場合に、天皇から贈られる称号のことです。
秋篠宮、常陸宮、三笠宮、高円宮の4つの宮家があり、宮家に男の子が生まれると、宮号が世襲されていく仕組みとなっています。
また、現在は宮号を世襲する男の子(悠仁様)がいる宮家が秋篠宮家しかありません。そのため、常陸宮、三笠宮、高円宮の3つの宮家は、男の子が生まれてこない限りは当代までで断家される状況となっています。
以上が「天皇に苗字や姓が無い理由は?」についてでした。
まとめ
天皇という言葉が使われるようになったのは40代目の天武天皇の時代であり、昔は日本の権力者の頂点という意味合いで使われる言葉だった。
天皇家に苗字や姓が無い理由は、万世一系であり、苗字や姓を名乗って区別をする必要がないからだとされている。
また、古代の日本では天皇は姓や苗字を授ける側であり、自分よりも立場が上で苗字を授ける存在がいなかったことから、苗字や姓が無いとされている。
天皇家には姓や苗字がない代わりに「称号」や「宮号」と呼ばれるものが存在する。
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