軍師・諸葛孔明が渋谷のクラブに降り立った!! パリピとして転生した天才が巻き起こすエモい天下統一劇
更新日:2020/5/8
私、はりまりょうの2020年の激推しマンガ作品のひとつが降臨した! この作品との出会いはまさに衝撃だった。キッカケは、テレビアニメ本編の間で流れていた1本のCM。脳内に残るリズムとリリック。そして絶対に出会うことのなさそうな2つを合体させた作品タイトル。たった15秒の放映であったが、一気に心を掴まれた! 「なんちゅー組み合わせなのだ!」と。そして、今回この場でぜひ紹介したい、そのタイトルが…『パリピ孔明』!!
自分の中で考える“パリピ”というと、デカい会場での泡パーティーや、全力でコスするハロウィンやクリパ。そこで大勢で集まってイベントをテンアゲMAXで楽しむ人たち――というイメージだ(あえてパリピっぽいコトバを使ってみた)。そんなパリピたちのホットスポットである渋谷のクラブを舞台に、三国志などを通じて誰もが知る最強軍師・諸葛孔明が、シンガーを夢見る少女とテッペンを目指す異色のコメディ作品が『パリピ孔明』(四葉夕ト:原作、小川亮:漫画/講談社)だ。
誰もが知る諸葛孔明が、令和の渋谷で手掛ける大事業は…?
ときは西暦234年の中国。五丈原の戦いで人生を終えようとしていた軍師・諸葛孔明。「平和な世界に生まれ変わりたい」と願い、これで絶命する…と思いきや、転生してパリピたちのハロウィンイベントで盛り上がる現代の渋谷のど真ん中に立っていた! 孔明の突然の登場に、彼を「クオリティの高いコスプレ男」と認識した渋谷のパリピたちが大接近。現状を把握できずにいた孔明は、そのままパリピたちの勢いに飲まれ、とあるチャラい雰囲気のクラブに連れて行かれる。そこで彼は、クラブのステージで歌う少女・月見英子との運命的な出会いを果たす。彼女の歌声に聴き惚れた諸葛孔明は、“英子の軍師”として、己の経験を活かした計略でクラブシンガー界へ進撃していく――というとてもエモいストーリーだ。
もともと生きていた時代から約1800年の時を越え、日本の流行発信地で2度目の人生を送ることになった孔明。科学技術の発展や、自身の死後の行方に衝撃を受けるも、さほど時間を要せずにスマホを使いこなすなど、現代の生活にスムーズに順応していく。さすがは天才軍師!
“英子の軍師”となった孔明は、クラブ系ミュージックとステージ演出の知識をどんどん吸収し、敏腕プロデューサー顔負けの才能を見せ、タイトル通りの“パリピ”レベルが少しずつ上がっていく。しかもあの装いのままで…。
孔明の働きは多岐にわたる。英子が活動の拠点としているクラブオーナーへの説得から、人気シンガーとの客入り対決や、野外フェスデビューと、次々と訪れる未知のイベントや試練。そこで、孔明の前世での経験が生かされていく。天下統一のために仕掛けてきたあらゆる戦術が、令和の渋谷でよみがえるのだ。この戦いの行方は三国志ファンや諸葛孔明ファンにとってもかなり興味深い展開になっているので、お見逃しないように。
さて、今回のPOPには、あえてパリピっぽいワードを盛り込んでみたが、果たしてこれが合っているかどうかは未知だ(笑)。しかし、この作品の素晴らしさを伝えたい! という意気込みが伝わるととてもうれしい。素晴らしい作品、そしていいCM(※)に出会い、作品の紹介を実現することができた。感謝からの~、最&高!
“パリピ”という設定があるので、硬派な諸葛孔明ファンにとっては不安もあるかもしれないが、ぜひご安心いただきたい。三国志の背景を知っている方にとっては、その世界観に没入できるので、きっと好きピへのバイブスが上がるはず。本作に登場する主要キャラにも「三国志マニア」がいる。ほらぁ、貴方もイケそうでしょ?
本作のストーリーはまだ始まったばかり。パリピな成長の魅せどころはのびしろたっぷりの“パリP(=プロデューサー)・孔明”と英子の今後だ。2巻以降のさらなるテンアゲ(テンション・アゲアゲ)なバズりっぷりに期待できそうなので、ぜひ今のうちに1巻を手に入れて目を通してほしい!
文・手書きPOP=はりまりょう