カード2枚で家計簿いらず! ムダ遣いを防ぐにはデビットカードがおすすすめ/フリーランス、自営業のためのお金の超基本③
公開日:2020/5/25
フリーランス、自営業がコロナショックを生き抜くための決定版! 人気家計再生コンサルタントがお金の管理術を丁寧に解説します。フリーランス、自営業だからできるお得な「お金の話」を大公開。
事業用と家計用、まず2つのカードを用意する
事業用と家計用、2つの口座およびカードを用意すると、帳簿や家計簿をつけなくても、事業用の経費として何にいくら使ったか、家計費として何にいくら使ったか、今いくら残っているかが簡単にわかります。それこそがお金を管理する第一歩なのです。
カードを用意すると…
家計簿をつけなくても、毎月の収支を簡単に管理できる。
カードを用意しないと…
毎月の収支が管理できない。赤字、黒字が不明確。または自力で家計簿をつける必要が。
第1章では、フリーランス、自営業の人が何よりもまずやるべきことは「お金を管理すること」であるとお話ししました。
しかし、おそらくみなさんの中には「お金を管理する大事さはわかったけど、具体的にどうすればいいかわからない」という人もいるでしょう。
たしかに、会社なら経理担当の部署があって、お金の管理を任せることができますが、一人で仕事をしているフリーランスの人には、毎日帳簿や家計簿をつけるなど、とても無理ですよね。
ですから、ここでは誰にでも簡単にできる方法をお伝えしましょう。
時間やエネルギーをとられることなくお金の管理ができ、「何にいくら使ったか」が一目でわかり、確定申告のための帳簿作りもラクになる方法です。
やるべきことは、非常にシンプルです。
まず、銀行や郵便局の口座を2つと、クレジットカード(できればデビットカード)を2枚、用意してください。
そのうえで、片方の口座とカードを事業用、片方の口座とカードを家計用にしてください。
ただ、それだけです。
すでに複数の口座やクレジットカードを持っている人は、さっそく今日から、そのうちの一つを事業用、一つを家計用にしましょう。
そして、事業用の口座には、事業売上をすべて入金し、事務所の家賃、備品、消耗品、仕事に関する飲食費など、事業に関するお金はすべて、事業用のカードで支払うようにします。
一方、家計用の口座には、月に一度、事業用口座から生活費を入金し、家賃や光熱費、携帯電話代、仕事以外の飲食代、趣味のお金、お子さんの教育費、税金、国民年金や国民健康保険の保険料などは家計用のカードで支払うようにします。
自宅を事務所にしている人、仕事用の電話も個人的な電話も一台の携帯電話で済ませている人の場合、家賃や光熱費、携帯電話代などは、とりあえず割合の高い方で払っておきましょう。
最初は少し、手続きやご自身の中でのルール作りが大変かもしれませんが、まずはひと月、カードを使い分けてみてください。
そうすれば、口座やカードの残高・明細をチェックするだけで、今までお金の管理をしてこなかった人でも、1か月に、だいたいどのくらい仕事の経費や家計費を使っているのか、現在どのくらいのお金が残っているのかがすぐにわかります。
そしてそれこそが、お金を管理できる人になるための、最初の一歩となります。
「お金が管理できない人」は、自分が今、どれくらいお金を持っているのか、何にいくら使っているのかがわからない人です。
そこがわからないから「お金をためなきゃいけない」「節約しなければいけない」と心のどこかで思いつつ、あとどのくらいお金を使っていいのか、どの支出をどれだけ削ればいいのかもわかりません。
その結果、「まあ、何とかなるだろう」と思いながら、あるいは「これは仕事の経費だから」と自分に言い訳をしながら、ダラダラとお金を使ってしまうのです。
特に、個人で仕事をしている人は、ついつい仕事の経費も家計費も一つの口座、一つのカードで済ませてしまいがちです。
それでは、帳簿を作るまで、経費としていくら使ったかがわかりませんし、いざ帳簿を作る際も、レシートや領収書をいちいち事業用と家計用に分けなければならないため、手間と時間がかかります。
でも、2つの口座、2枚のカードを使い分ければ、残高や明細を見るだけで「経費がかかりすぎている」「飲食費が多すぎる」「携帯電話代が高すぎる」などがわかりますし、その中で削れるものは何か、限られた予算の中で何を買えばいいのか、具体的に考えることができるようになります。
帳簿を作る際にも、基本的には事業用の口座とカードの明細をチェックすればいいので、作業がかなりラクになります。
なお、カードを作る場合は、デビットカードがおすすめです。
デビットカードは預金口座とひもづけられており、決済すると同時に口座からお金が引き落とされます。
後払いのクレジットカードと違って、現時点で何にいくら使っているか、いくらお金が残っているかが把握しやすく、口座の残高内でしか利用できないため、使いすぎを防ぎやすいのです。
このように、口座とカードを使い分ければ、誰でもすぐにお金を管理し、ムダ遣いを防ぐことができますし、少しずつでもお金をためられるようになるはずです。