佐渡島庸平 今月の「この本にひとめ惚れ」『物語の体操』『情動はこうしてつくられる』『「言葉」が暴走する時代の処世術』

文芸・カルチャー

公開日:2020/5/21

『ダ・ヴィンチ』本誌の人気連載コーナー「この本にひとめ惚れ」から、コルク代表・佐渡島さんのひとめ惚れ本を紹介。『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』といった大ヒット作品を世に出した天才編集者・経営者が“ひとめぼれ”した本をチェック!

『物語の体操』と『情動はこうしてつくられる』は、新人マンガ家と物語づくりに取り組んでいる今、必要な本だと思った2冊。『「言葉」が暴走する時代の処世術』は、SNSの時代、いかにして人間同士の揉め事が起こるかなどを考察している。この二人の対談なら面白いに違いない。

『物語の体操 物語るための基礎体力を身につける6つの実践的レッスン』
大塚英志
星海社新書 840円(税別)
星海社:発行 講談社:発売

装丁:吉岡秀典(セプテンバーカウボーイ)
編集:太田克史
編集副担当:岡村邦寛

新人マンガ家と作品づくりに取り組んでいる今、再読したい一冊。

『情動はこうしてつくられる  脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』
リサ・フェルドマン・バレット:著 高橋 洋:訳
紀伊國屋書店 3200円(税別)

装丁(日本語版):松田行正、杉本聖士

同じく物語を作るうえで深く考えるテーマとして「感情」を学ぶために。

『「言葉」が暴走する時代の処世術』
太田 光、山極寿一
集英社新書 780円(税別)

装丁:新井千佳子
写真:丸谷嘉長
編集:細川綾子

SNSの時代、いかにして人間同士の揉め事が起こるかなどを考察している。この二人の対談なら面白いに違いない。

【青山ブックセンターにて彷書】

<プロフィール>
佐渡島庸平(さどしま・ようへい)
1979年生まれ。東京大学文学部を卒業後、2002年に講談社に入社。
週刊モーニング編集部にて、『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)、『16歳の教科書』など数多くのヒット作を編集。
インターネット時代に合わせた作家・作品・読者のカタチをつくるため、2012年に講談社を退社し、コルクを創業。
従来のビジネスモデルが崩壊している中で、コミュニティに可能性を感じ、コルクラボというオンラインサロンを主宰。
編集者という仕事をアップデートし続けている。
●Twiter ID:@sadycork

写真=首藤幹夫
取材・文=田中裕