外見だけに引っ張られない重要性――生き物エンタメ図鑑『キモイけど実はイイヤツなんです。』

スポーツ・科学

更新日:2020/6/23

『キモイけど実はイイヤツなんです。』(ろう(著),實吉達郎(監修),川崎悟司(イラスト),バニえもん(イラスト)/KADOKAWA)

 見た目の悪い人が、必ずしも中身も悪いとは限りませんよね。

 むしろ見た目が悪いけど中身のいい人はたくさんいます。結婚相手を選ぶとき、「外見をとるか、内面をとるか」はよく問題になります。

 見た目と中身にギャップのある人も多いですよね。

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 一見おしとやかなのにがさつな性格だったり、強面なのにすごくナイーブだったり…。

この“真理”は、人間以外の生き物にも当てはまるようです。2020年5月27日発売の『キモイけど実はイイヤツなんです。 怖いのに何だかかわいく思えてきちゃう生きもの図鑑』は、そんな生き物の見た目と中身に焦点を当てた1冊になっています。

 例えばこのハダカデバネズミは、「ネズミ」といいながら毛がなくて素っ裸。突き出た出っ歯がなんともぶさいくなのですが、実は老化知らずで酸素のない状態でも平気というスーパー生物。人間の不老長寿の研究にも役立っているそうです。

毛がなくて出っ歯なハダカデバネズミ

 こちらの鳥なのにおっぱいがついたような風貌のキジオライチョウは、実はオス。繁殖期になると、シンボルである胸を空気で大きくふくらませ、メスにアピールするのだそう。ちょっとおかしい姿だけど、一生懸命な愛情深さには心打たれます。

おっぱいのついたようなオスのキジオライチョウ

 そして、このヤツメウナギはエイリアンのようににゅるにゅるとして何とも気持ち悪いですが、蒲焼きなどにして食べると美味だそう。おいしいなんて、いい生き物だ!

エイリアンのようなヤツメウナギ

 同書にはほかにも“ギャップ萌え”する変な生き物が盛りだくさん。読むうちに「一生懸命生きているんだなあ」「変な外見にもちゃんと意味や役割があるのだなあ」と愛おしさがわいてきます。

文=さもん頼綱