鉄分はいつ摂取するのがいい? 同じ内容の食事でも時間によって摂取効率が変わる /長生き朝ごはん③
公開日:2020/6/7
コロナ禍で疲れているアナタ、朝ごはんをおろそかにしていませんか? 朝ごはんは、1日の中で最も大切な食事です。「長生き朝ごはん」を実践すれば、体と心の不調がみるみる消え、免疫力もアップしますよ! 朝ごはんに摂りたい栄養素を網羅した7つの長生き食材とそのレシピを収録。
朝ごはんは最も大切な食事
朝、昼、夕の食事の役割を知ろう
朝ごはんは1日の中で最も大切な食事だといいましたが、それはなぜだかわかりますか?
1日のスタートに朝ごはんを食べると、体にエネルギーが補給されます。ガス欠の状態では、どんなに頑張ろうとしても体も心も働きません。
朝ごはんを食べるとき、咀嚼(そしゃく)運動をします。咀嚼運動は、筋肉を動かし、脳を刺激します。唾液の分泌を促進し、口から喉の雑菌をきれいにしてくれます。
朝ごはんを食べると、消化管が刺激されます。胃が動き始め、腸が刺激されます。するとお腹に溜まっていた老廃物が排出され、体が軽くなります。
朝ごはんを食べると、体温が上がります。体温が上がると免疫力が活性化されます。
こうして健康で丈夫な体と心が作られるのです。
朝ごはんを食べることは、私たちの体にとって非常に大切なことです。
朝、昼、夕ごはん、それぞれの食事時間の間隔を考えてみてください。
朝ごはんを7時、昼ごはんを12時、夕ごはんを18時と仮定すると、朝ごはんと昼ごはんの間は5時間、昼ごはんと夕ごはんは6時間、夕ごはんと朝ごはんは13時間になります。つまり、朝は、1日のうち一番エネルギーが減っている時間であるということです。
脳が必要とするエネルギー、ブドウ糖は肝臓に12時間分貯蔵されています。朝ごはんを食べないと、昼前にはブドウ糖が枯渇し、脳の働きが低下し、パフォーマンスも低下してしまいます。
次に、朝ごはん、昼ごはん、夕ごはんの意味の違いを考えてみましょう。
くり返しになりますが、朝ごはんは、1日の始まりにエネルギーをチャージして、活動を始めるという役割があります。朝ごはんを食べないと頭も体も働いてくれません。
しかし、朝ごはんで補給したエネルギーは、4時間以上経つと減少してきます。午後も勉強や仕事を頑張るために、足りなくなったエネルギーを昼ごはんで補給しなければなりません。
また、良い睡眠をとるためには、睡眠ホルモンのもとになる栄養をとる必要があります。それが、トリプトファンというアミノ酸です。肉、魚、大豆などに含まれるトリプトファンは、体の中で幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンになり、さらにメラトニン(睡眠ホルモン)に変化します。
昼ごはんは、これを摂取するベストタイミングです。
夕ごはんは、1日の体の疲れと心の疲れをとる食事です。夕ごはんをリラックスして食べることは、エネルギー補給だけでなく精神的ストレスを緩和するためにも重要です。
夕ごはんには、食物繊維を多くとるといいでしょう。眠っている間に食物繊維が腸内環境を整えてくれるからです。
同じ内容の食事でも食べる時間によって摂取効率が変わる
みなさんは、「時間栄養学」という言葉を聞いたことがありますか。「1日24時間、どのタイミングで食事をすると体に良いか?」ということを科学する学問です。
例えば、鉄分を効率良く吸収するには、朝、昼、夕のいつとるのが一番良いか、わかりますか? 答えは、朝。そう、鉄分は朝ごはんにとると一番吸収率が良いのです。ちなみにカルシウムは、夕ごはんの時間にとることで最も吸収率が上がります。
つまり、まったく同じ内容の食事をとったとしても、栄養の吸収と代謝には、1日の中で変動があるのです。
せっかく体に良い食材をとるならば、適切なタイミングで食べたいものですよね。本書では、朝に食べるべき食材と、その食べ方をわかりやすく説明します。