子どもに見せちゃいけない!? 新しい時代のパパ・ママ必読の教育入門書『小学生の勉強法』
公開日:2020/6/9
子どもの頭を少しでも良くしてあげたいと思うのは、親として当然だ。ただ、昔のように「勉強しなさい!」の言葉だけで、子どもの頭は良くならないし、子どもは勉強しない。かつての僕らもそうであったように。
でもなぜか、自分の子どもにも同じような声かけをしてしまう親が多いのが事実。それもそのはず。僕ら大人は、学校で「学び方」を習わずに勉強していたのだから。
では一体、いまの親世代はどのように子どもに「学び方」を教えれば良いのだろうか。
本書『小学生の勉強法』(石田勝紀/新興出版社啓林館)には、そんな悩みを抱える親に向けた、子どもに「学び」を教えるためのノウハウが満載だ。
■大事なのは「勉強・学び=苦」にさせないこと
本書全体を通して伝わってくるのは「学びを苦行にさせないことが大事だ」ということ。学生時代の大半を勉強に費やす彼らにとって、学びが苦になることほど辛いことはない。そのうえで著者・石田勝紀さんは、小学生に教えるべき大切なこととして、以下の3つを挙げている。
・習慣的に学ぶ大切さ
・学びの楽しさ
・学び方
これらはすべて、中学・高校・大学へと進学するであろう小学生が「学び=苦」と思わないようにするためにあるという。逆にこれらを小学生の時から教えられれば、子どもは自然と学ぼうとするのだと石田さんは述べている。
■“学びを楽しむ仕掛け”を作る
学びの楽しさを教えるためには“楽しむ仕掛け作り”が必要だと述べる石田さん。曰く、勉強ができる子は共通して「楽しむ仕掛け作りを自分で行なっている」とのこと。ただ多くの子どもは、仕掛けの作り方を知らない。そのため、初めて出会う知識に対しては「つまらないもの」というレッテルを貼り、逆に楽しい演出で教わった知識には「面白いもの」というレッテルを貼るのだという。
では、親として子どもにどのような仕掛けを作ってあげられるのか。本書では石田さんが編み出した、楽しむ仕掛けが紹介されている。「大切なのはまず勉強全体を“見える化”し、ゴールを作ってあげること」と述べる石田さんの仕掛けとは? 詳細は、ぜひ本書を手にして知っていただきたい。
ほかにも、「子どものタイプに合わせた学ばせ方」や「科目ごとの学ばせ方」など、様々な視点から学びを紹介している。正直、本書が学校教育の新しい指南書となれば、子どもの学びに対する姿勢は変わるのではないかと、僕は考える。
ただし、すべてを本書の通りに変更させるのは難しいだろう。ただでさえ教える内容が増えている中、教師だけに、学びのすべてを押し付けるのは酷だ。
ましてや現在、コロナウィルスの影響で子どもは学校に通えていない。家で学ぶしか選択肢はないのだ。もしも、子どもに勉強させる手段が分からずにいる人は、本書を手にして試してみてほしい。同時に自身の「学ばせ方」についても考えるきっかけになれば最高だ。
文=トヤカン