「発酵食品」と「食物繊維」はどんな食品から1日何グラム摂取したらいい?/まんがでわかる 最高の体調⑨

健康・美容

公開日:2020/6/10

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『まんがでわかる 最高の体調』(鈴木祐:著、 ながみちながる:まんが/クロスメディア・パブリッシング)

「発酵食品」と「食物繊維」

 腸内細菌を元通りにするには、まずは食事から。次の2種を増やしましょう。

◎発酵食品:納豆、ヨーグルト、キムチ、ぬか漬け、味噌、ザワークラウトなど。

 発酵食品には、体に良い細菌がたくさん含まれています。

 事実、ロンドン大学の観察研究では、普段から発酵食品をよく食べる者ほど心疾患や糖尿病にかかりにくく、早期死亡率も低いことがわかっています[6]。

 さらに、カリフォルニア大学の研究では、乳製の発酵食品を4週間ほど食べ続けると、脳の活動が活性化し、感情や注意力に関わる機能に向上が見られました[7]。

 お好みの発酵食品を1日に40〜50グラムずつ食べ、3週間でお腹の調子が良くなったかを確認します。種類は何でもOKですが、特定の食品ばかり食べるのではなく、できるだけ幅広い発酵食品を取り入れ、腸内環境の多様性を保ちましょう。

◎食物繊維:野菜とフルーツ。特に水溶性の食物繊維が豊富なゴボウ、寒天、海藻、キノコ類、オクラ、リンゴなど。和食には食物繊維が豊富なことが多い。

 食物繊維は、腸内細菌の主食になります。食物繊維の効果といえば、お通じの改善やコレステロールの低下が有名ですが、ここ数年の研究により、さらなるポテンシャルを持つことがわかってきました。代表的なのは、2015年に中国のPLA病院が行ったメタ分析で、食物繊維の摂取量が多い人は、少ない人にくらべて早期死亡率が23%も下がり、癌の発症率は17%ほど低下。さらに炎症性の病気にいたっては、43%もリスクが下がるということです[8]。

 まずは1日15gからスタート。現時点での検証データが多いブルーベリーなら1日100g、ココアなら大さじ3〜4杯から始めるのもおすすめです。

 なお、普段の食生活で適切な量をとるのは難しかったり、すでに腸内環境が乱れすぎていて、食事だけでは効果が出にくかったりする場合もあります。

 そんなときは、サプリを活用しましょう。ただ、腸内環境の構成は人によって変わるため、効果が出る種類も人それぞれです。まず1か月程度使ってみて効果がみられなければ別の種類を試し、根気よくいろいろなものを摂取していきましょう。

◉プロバイオティクス※サプリのおすすめ
(※人体に有益な微生物を含む食品・製品)

・150億CFU以上の菌が入っているものを選ぶ。一気に大量の細菌を投入したほうが、荒れた腸内環境には効きやすい。

・生存率が高い菌が入っているものを選ぶ。プロバイオティクスは胃酸で死んでしまうケースがあるため、できるだけ腸まで届くものを。

・慢性的な下痢や便秘にはビフィズス菌がもっとも有効。さらに乳酸菌、酪酸菌、糖化菌などを飲むと効果が高まる。

・抗生物質で腸が荒れている場合は、LGG(乳酸菌の一種)とサッカロミセス・ブラウディがよい。

※摂取量…各サプリの目安に従う。

◉食物繊維サプリのおすすめ

①難消化性デキストリン
手軽に毎日の摂取量を増やしたい場合に最適。

②オオバコ(サイリウムハスク)
研究の信頼性が高い。難消化性デキストリンより水に溶けにくいので、ゼリーなどの材料として使うと食べやすい。

③イヌリン
ダイエット効果の報告例が多い。体重が気になる方に。

④レジスタントスターチ
腸壁を守る酪酸という物質を作り出す作用が高い。

※摂取量…お好みのものを1日15gからスタート。お腹にガスが発生したり下痢を起こすようなことがなければ、1週間に5gほど追加していき、30gぐらいまで増やして体の様子をみる。

1 腸内細菌が減少し腸内環境が乱れると、疲労感やさまざまな不調の原因に。

2 腸内細菌とは、人の消化器官に住み着く微生物のこと。栄養の吸収、有害物質からのバリア機能など多くの役割を持つ。

3 「リーキーガット=腸内細菌の減少などが原因で、腸のバリア機能が破れた状態」になると、慢性的な炎症が起きる。

4 腸内細菌を元に戻すには、加工食品を減らし、下記の2種を摂取すること。

5 発酵食品(1日50g)…納豆、ヨーグルト、キムチ、味噌など。

6 食物繊維(1日15g)…野菜とフルーツ、海藻、キノコ類などから摂取。


<第10回に続く>