自分のアドバイスを聞いてもらうには… 相手に絶大な安心感を与える最強メソッド!/神トーーク②

ビジネス

公開日:2020/6/14

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『神トーーク 「伝え方しだい」で人生は思い通り』(星渉/KADOKAWA)

「最後まで相手の話を聞く」だけで人気者になれる

 相手に「安心感」を与える方法として、「絶対に否定をしない」こととセットで行うと、相手に絶大な安心感を与えることができる最強のメソッドがあります。それは、誰もが一度は「これが大切だ」と言われたことがあるにもかかわらず、実行できている人が圧倒的に少ない行動。

 そう、「最後まで(相手の)話を聞く」ことです。

「絶対に否定をしない」+「最後まで話を聞く」

 これを実行するだけで、あなたはあなたと関わる人に絶大な安心感を与えることができます。そして、その絶大な安心感は、そのまま「あなたの人望」となるのです。

 もしあなたが「誰かにアドバイスして相手にその通りに動いてもらいたい」「あなたのアドバイスを素直に実行してもらい、成果を挙げてもらいたい」と思っている場合は、特にこの「最後まで話を聞く」が重要になってきます。

 なぜなら、人は「自分の考えていることをすべて吐き出さないと、新しい考えを納得して受け入れることができない」からです。

 これは新しいアドバイスを聞きたいという欲求より、「自分の話を聞いてほしい」「自分が話したい」という欲求のほうが大きいからです。

 話を最後まで聞いてもらえないと、安心感を得ることもできませんし、人の心を動かすコミュニケーションのもう1つの重要キーワードである「自己重要感」を得ることもできません。欲求が不完全燃焼の状態の時にアドバイスをされても、あなたのアドバイスは相手の耳に入っていかないのです。

 この状態をわかりやすく説明するために、私が「コップ理論」と呼んでいる考え方を紹介しましょう。

 あなたのもとに相談に来る人は、すでにコップの中に水が満杯の状態です。

 コップの大きさはすなわち、相手があなたのアドバイスを受け入れられる「量」のこと。私たちがアドバイスをするのは、このコップの中に新たな水を入れることと同じなのですが、すでにコップの中が「話したい!」という水でいっぱいになっているのであれば、そこにいくらアドバイスという名の水を注いでも、ただあふれ出てしまうだけ。

 新しい水を入れたいのであれば、コップの中の水を減らさなければなりません。

 この“コップの水を減らす”方法が、「話を聞く」ということなのです。

 話を聞けば聞くほど、相手のコップの水は減っていきます。そして、私たちのアドバイスという名の水は、コップの水が減った分だけ、相手のコップに入れることができるのです。

「最後まで話を聞く」という行為は、相手に安心感を与え、「話を聞いてもらえている」という自己重要感を満たすだけでなく、私たちのアドバイスを受け入れるための準備をしてもらう意味合いもあるというわけです。

 私も仕事上で、経営、起業、転職、恋愛、子育て、夫婦間コミュニケーション、自己変革など、ありとあらゆる相談を受け、アドバイスし、それらを解決してきましたが、その時に私自身のルールとしていたのが、やはり「相手の話を最後まで聞く」ということでした。

 解決策を提案するのであれば、相手がちゃんと実行し、その人自身が望む状態になってほしい。そのためには、もっとも効果がある状態=「相手がこちらの話を聞ける状態」、つまり「相手のコップの中が完全に空になっている状態」でアドバイスをしなければ意味がない。

 ですから、私は相手の話を最後まで聞き、相手が話し終わっても、本当にコップの中が空になったのかを確認するために、次の質問をしてから、自分のアドバイスを始めるようにしています。

「他にもっと話しておきたいことはありませんか?」

 相手にこの質問をすることで「私はあなたの話を聞く気持ちがありますよ」という姿勢がさらに伝わります。さらなる「安心感」とともに、コップの中は完全に空になり、こちらのアドバイスをしっかりと聞いてくれるようになります。

「絶対に否定をしない」
「話を最後まで聞く」

 この2つを実行するだけでも、今日から周りに対するあなたの影響力は、大きく変わります。

人の心を動かす「神トレ」

相談やアドバイスを求められたら、「絶対に否定をしない」+「最後まで話を聞く」をセットで実行する。そして、最後に「他にもっと話しておきたいことはありませんか?」という魔法のフレーズを使おう。

<第3回に続く>