おにぎり界の新星、“台湾オニギリ(ファントゥアン)”! どこをかじっても具たっぷり。ついつい食べすぎる、無限のおいしさ!

暮らし

公開日:2020/6/15

『台湾オニギリ』(山脇りこ/主婦の友社)

 台湾を代表する朝ごはんのひとつ、ファントゥアン。

 ファントゥアンとは、具だくさんのごはん巻きで台湾人が愛するローカルフードだ。

 日本のおにぎりとは違い、具の種類が豊富。油條(ヨウティヤオ)と呼ばれる揚げパンや、豚のでんぶの肉鬆(ローソン)、漬け物、味付け卵などが定番の具材である。

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 ひと口かじれば、お米のモチモチ感や詰め込んだ具の食感、甘辛味や塩味など、全部が混ざって、すぐにまた口に運びたくなるやみつきのおいしさだ!

 そんな台湾ファントゥアンを日本版にアレンジした「台湾オニギリ」の楽しいレシピが詰まっているのが『台湾オニギリ』(主婦の友社)だ。台湾各地を食べ歩き、台北での料理教室など日台をつなぐイベントを開催するほど、台湾を愛する料理家・山脇りこ氏が考案した。

 巻く楽しさ、食べたときの感動、見た目の可愛さと三拍子そろった台湾オニギリは、次なるオニギリブームを巻き起こすこと間違いないだろう。

具材選び、巻く工程、切って断面を見る楽しみ! 台湾オニギリはわくわく感が詰まった魅惑のオニギリだ。

台湾オニギリは作り方も超簡単!

 クッキングシートとちょっとしたコツで、簡単に巻ける台湾オニギリ。

1. クッキングシートにごはんを広げる
2. 両端をあけて具をのせる!
3. ごはん同士をくっつけて巻いてクッキングシートの両端を「キュッ」と結ぶ

 この3ステップが基本の作り方。

 あとは、自分なりの好みの具材を入れてオリジナルを楽しむこともできる。

おうちにある食材で気軽に!

 台湾オニギリは、チーズ、漬け物、缶詰など、家によくある食材を自由に組み合わせてできる、という楽しさがある。

 こちらはゆで卵とアボカドを、みじん切りにしたブラックオリーブ、ヨーグルト、マヨネーズをあわせたソースと一緒に巻いた「ミモザサラダ巻き」。女子が好きなヘルシーな台湾オニギリだ。

 ピーマンやゴーヤなど野菜をたっぷり巻けば野菜不足解消にもなるし、揚げ物やお肉をたっぷり巻けば、それ一つで立派なごちそうになる。チーズと漬け物の組み合わせは、お酒のおつまみに合うし、カレー粉や抹茶、ゆかりなどでご飯を色付けして輪切りにして並べれば、見栄えも華やかでホムパにも最適。子どもから大人まで満足でき、どんなシーンにも使える懐の深さが魅力!

日本人に人気のどんぶりや粥、ちまきと台湾のお米レシピが満載!

 おかずをたっぷりのせた迫力のあるどんぶりも台湾ごはんの醍醐味のひとつだが、本書にはどんぶり飯や粥、ちまきなど台湾のお米レシピも多数紹介されている。おなじみの鶏のうまみがごはんにしみ込んだ鶏肉飯(ジーローファン)、甘辛角煮がごろっとのったボリューム満点のクァンローファンなど、しずる感のある写真が食欲をそそる。台湾に行かずとも、現地のおいしさが再現できるレシピは必見である。

 端午の節句に食べる習慣があるちまきは、著者が“台湾のお母さん”直伝のレシピを公開。北と南で違う本場のちまき作りを教わった旅の記録も読んでいて面白い。

蒼蠅頭飯(ツァンイントウファン)。豆鼓が蠅の頭のように見えることに由来した四川料理。細かく刻んだミントの葉、ニラ、しょうがなど香り食材が肉のうまみとからみ合う。

クァンローファン 甘辛角煮がごろっとのったボリューム丼

台湾南部のお母さんが作るちまきは、蒸すのではなくゆでて作る

 さらに、本書ではオニギリ・丼ぶり・ちまきと一緒に食べたいスープレシピもついている。あたたかいスープと一緒に食事する台湾スタイルにならって、セットで作ってみては。台湾に何度も通う著者だからこそ知る、現地おすすめのご飯スポットや調味料など読み応えのあるコラムも台湾の雰囲気を感じられていい。なかなか現地に飛べない今、気軽に作れる台湾ごはんで、少しでも台湾気分を味わってみてはどうだろうか。