免疫力UPに必要な食物繊維は「3種類」!? 何を食べればいい? 実際に作ってみた
更新日:2020/6/15
新型コロナウイルスの影響で、「免疫力」への注目度が高まっている。しかし、免疫力というのは一朝一夕で高まるものではなく、日頃からきちんとした食生活を送り、適度に動き、睡眠を取ることで保たれるもの。
中でも食生活は、気を抜くとついつい乱れてしまう。そうならないためには、かかるお金や手間を増やすことなく続けられる「継続しやすい食事術」を学んでおくべきだろう。そこで役に立ちそうなのが、『最強!毒出しごはん 3つの食物繊維が毒を排出 免疫力を高める!』(青江誠一郎/河出書房新社)。
本書はタイトルにあるとおり、「3つの食物繊維」をうまく取り入れて、体に悪い要素を排出し、免疫力を高めよう…という本。「食物繊維」と聞くと「だいたいのことは知ってる」「野菜を食べろってこと?」と単純に考えがちだが、この本を読めば漠然としていた知識が明確になり、本当に摂るべき食材が見えてくる。
「3つの食物繊維」って何? 「毒」とは?
まず「3つの食物繊維」について。本書によると食物繊維には3種類あり、小腸の入り口付近で毒出しをし、善玉菌のエサになって悪玉菌を抑制する「水溶性食物繊維」、大腸を早く移動しながら毒出しする「不溶性食物繊維」、善玉菌のエサになって悪玉菌を抑制する「レジスタントスターチ」とそれぞれ違った役割を果たしている。
中でも炭水化物に含まれる特殊なでんぷん「レジスタントスターチ」は今もっとも注目されている食物繊維で、肥満や脂肪肝の改善、糖尿病の予防などさまざまな効力を発揮する。糖質制限食が注目されることで避けられがちな炭水化物だが、実はそのせいで多くの人が食物繊維不足に陥ってしまっている、とも書かれている。
レジスタントスターチはいったん加熱して冷ますと量が増えるそうで、冷えた状態で食べることで効率よく摂取できる。これからの時期はちょうど冷たい食べ物がおいしくなる季節だ。もちろん摂り過ぎると体に良くないが、今年は適切な量を冷まして食べ、食物繊維を摂ることも心がけたい。
ちなみに本書でいう「毒」というのは、余分な糖質、脂質、悪玉菌が作る毒素のこと。食物繊維が不足すると善玉菌より悪玉菌が優勢になり、この毒がたまりやすくなるのだとか。そしてそれを放置していると、糖尿病や心臓病など重大な病気につながってしまう。食物繊維は体を健康に保つのに必須の栄養素なのだ。
朝食べたい! 食物繊維たっぷりの「免疫力アップごはん」作ってみた!
では、具体的には何を食べたらいいのか? 本書ではそれも種類別に具体的に紹介されている。さらに「どう調理していいかわからない」「難しいのはイヤ」という人のために、食物繊維を簡単にたっぷり摂れるレシピも用意されている。ここでは、その中から実際に2品作ってみたい。食物繊維は朝摂るのがいいとのことなので、朝ごはんによさそうなメニューをチョイスした。
1つめは、「最強!毒出しワンボウル」(本書99ページ)。
この1皿で、1日に摂りたい食物繊維の半分にあたる9gも摂れるというから驚きだ。もち麦を加えたごはんを器に盛り、粗くたたいた長芋、納豆、とろろ昆布、青のりをのせて醤油をかければ完成。
1つ1つはごはんのおかずとして珍しくない食材ばかりだが、この“全部のせ”感はちょっとワクワクする。もち麦もモチモチプチプチと食感がよく、素朴だがクセになりそう。火も包丁も使わないので、料理慣れしていない人でも安心して作ることができるお手軽さがうれしい。
2つめは、「とろろ昆布チーズトースト」(本書105ページ)。
「朝はパン派」という人には、こちらの和風トーストがオススメ。全粒粉パンに、味噌とマヨネーズを混ぜたものを塗り、とろろ昆布、チーズをのせてトースターで焼けば完成。
パンにとろろ昆布をのせたことなんてなかったが、味噌入りのマヨネーズが食パンととろろ昆布をうまくつないでくれる。チーズの効果で、食べごたえもしっかり! これなら時間がない朝でも5分程度で作ることができる。
本書には、紹介した2品含めて40近くものレシピが掲載されている。また、ここでは紹介しきれなかった「食物繊維の力」も詳しく丁寧に解説されているので、正しく免疫力を高めて外敵から体を守っていくためにぜひ読んでほしい1冊だ。「3つの食物繊維」を理解してうまく取り入れ、自分の体を内側から強くしていきたい。
調理、文=水音(月乃雫)