体重が減ってもお腹まわりだけ痩せないのはなぜ? 原因は「内臓下垂」だった/くびれ母ちゃんの出せるカラダ①

健康・美容

公開日:2020/6/20

食べても太りにくい体への最短ルートは、腸内環境を整えること! 大人気トレーナー“くびれ母ちゃん”が、究極の「便活ダイエット」を分かりやすく解説。付録のデトックスボールを使って腸まわりをほぐして、理想のくびれを手に入れよう!

『くびれ母ちゃんの出せるカラダ – デトックスがとまらない! -』(村田友美子/ワニブックス)

“出せないカラダ”の原因は内臓下垂

 私が便秘で悩んでいた頃の特徴って、お腹がぽっこり出ていて幼児体形だったこと。極端に太っていないのに、下っ腹だけが出ている女性はとても多いです。実はこれ、脂肪ではなく内臓が下垂しているのが原因。

 内臓が下垂してしまうと、腸が押しつぶされて、消化・吸収・排便のサイクルが乱れます。こうした状態のまま、運動したり、排便を促す食物繊維や腸の調子を整える善玉菌が多い食材をとったりしても、うんちの通り道はふさがれたままなので、便秘は改善しにくいです

10年前の私です。お腹パンパン!

なぜ内臓下垂するの?

 下っ腹がぽっこり出ている内臓下垂は、食べすぎや偏食、糖質のとりすぎといった食の不摂生が原因ではありません。内臓下垂の原因は「姿勢が悪いこと」なんです。

 姿勢が悪いと、骨盤が開くし、呼吸は浅くなって自律神経のバランスが乱れ、骨盤底筋などの内臓を支えるインナーマッスルが衰えてしまいます

 内臓をハンモックのように支えている骨盤底筋は、20代の頃は10㎝もの厚みがあるのに、40代、50代と年齢を重ねるとたったの3㎝程度になってしまうと一般的に言われています。加齢も筋力の低下に拍車をかけてしまうのです。


内臓下垂の悪影響はひとつじゃない

 内臓が下垂して便秘になると、私が経験済みの負のスパイラルに陥ります。便秘でお腹が張ると、食欲が減り、食べることが怖くなる……。それがストレスになって自律神経が乱れ、気持ちが荒れ、呼吸が浅くなって血流が悪くなり冷えやむくみ、疲れが出やすくなる。ココロもカラダもパンパンな状態。

 もちろんボディラインにも影響します。下垂した内臓に上半身が引っ張られておっぱいやお尻は垂れるし、脚は太くなる。腸が動かないから背中や腰が痛くなることもあります。子宮や膀胱も押しつぶされるので、生理不順や生理痛、PMSなどの婦人科系の不調、尿漏れにも悩まされるのです。

腸を元に戻すためには3つのポイントを押さえる

 下垂してしまった腸はなんとしてでも、元あった位置に戻したいものです。そのアプローチ方法は3つあります。

 ひとつは、姿勢の悪さが原因でゆがんでしまった腸骨と仙骨を締め、前傾の骨盤を床に対して垂直にすること

 ふたつめは、横隔膜の上下運動をしっかりさせて呼吸を深くすること。横隔膜が上がるときに、臓器も一緒に引き上がるためです。

 最後は、骨盤底筋を自分で動かせること。下から内臓を支えることで、腸は正しい位置へと戻っていくのです。

内臓下垂の原因TOP3

①姿勢の悪さ
内臓下垂は、反り腰や猫背など、日々の姿勢の悪さによって起こります。心当たり……ないですか?


②呼吸が浅い
呼吸が浅いと、横隔膜がしっかり動かず、内臓は下がったままに。


③筋力の衰え
筋力が低下すると、内臓も下がっていきます。


内蔵下垂からカラダを救え!
元気にしたい3つのポイント

1 ゆがんだ関係の腸骨ちゃんと仙骨くんをくっつけよう♡

 “骨盤矯正”ってカラダによさそうなのはわかっているものの、どうすることがいいのかわからない人も多いですよね。正解は、骨盤を形成する後ろ側の腸骨と仙骨をくっつけ、前方の骨盤が床に垂直の向きでまっすぐに立てる姿勢にすることなのです。

 仙骨とは、骨盤の真ん中にある背骨の下の端部分。腸骨は仙骨の左右にある蝶々のような骨。骨盤が開いていると、腸骨がカラダの前方向に回って仙骨から離れている状態で、このとき仙骨は後ろに倒れてしまい、腰が丸まった姿勢になって内臓が下垂します。


2 めんどくさがって上下運動をサボる横隔膜おばさん

 呼吸をすることで、上がったり下がったりする横隔膜。こうした上下運動によって、内臓が収まっている部分は圧力が変わり、内臓がマッサージされるような状態になります。

 横隔膜が上がると、お腹の中の圧力が下がって内臓を引き上げることに。ところが、お腹や胸だけで浅い呼吸をしていると、横隔膜が横着をして上下運動がとたんに減ってしまうのです。すると内臓の働きは一気に低下、重力に逆らえなくなった内臓は、下がるのをただただ待つだけです。


3 腸を支える元気がない……虚弱体質の骨盤底筋さん

 内臓をハンモックのように支える骨盤底筋。年齢とともに衰え、肌と同様、弾力や厚みを失ってしまいます。姿勢をつくるのにもとても重要で、骨盤底筋はしっかり働くと、膣が引き上がりコルセットのような役割をする腹横筋、背骨まわりの深層にある多裂筋、呼吸することで上下する横隔膜が連動する特殊な筋肉です。

 骨盤底筋が弱いと、内臓を支えられず下垂するだけでなく、姿勢が崩れ、横隔膜の運動も小さくなります。骨盤が開き、呼吸が浅くなるという内臓下垂の負のスパイラルに陥ってしまうのです。


<第2回に続く>