払い続けている年金、もらえる額はどうやって決まるの?【役立つFPネタ】
更新日:2020/6/25
会社員になると、年金を払わない選択肢はない。毎月給料から引かれていく額を確認するとき、年金をもらう側になった自分を想像するのはむずかしい。将来、引かれた額に見合うお金は返ってくるのだろうか。国は、老後に2000万円必要だという。お金の悩みは、死ぬまで尽きることはないだろう。
どうすれば、こうしたお金の悩みに強くなれるのか。そこで、ファイナルプランナー(FP)という選択肢を紹介したい。FPは、ひとことで言えば「お金の専門家」だ。企業に所属するFP(企業系FP)であれば、銀行や信用金庫などでお客さんのライフプランの相談に乗れる。そこから独立・開業し、自分で事務所を設立する個人FPもいる。いずれにせよ、個人のお金の悩みをサポートする仕事だ。他人の相談に乗れるならば、自分のこともしっかり考えられるようになるはず。
払い続けている年金、もらえる額はどうやって決まるの?
たとえば、普段なんとなく払っている年金。払い続けているお金は、老後に返ってくるとされている。だが、「自分はいくら返ってくるのか?」がわかっている人はいるだろうか。FPの勉強をすれば、こうしたこともわかるようになる。
国民年金のひとつである老齢基礎年金は、2020年度だと年間781,700円だ。計算式は以下のようになる。
老齢基礎年金(満額):780,900円×1.001(改定率)≒781.700円
改定率は、物価や賃金の変動などによって決まるが、それだけではない。今後、公的年金の被保険者の減少や、国民の平均寿命の延びが予想され、年金財政を圧迫するといわれている。その対策として「マクロ経済スライド」が導入されている。年金へのマイナス要因を考慮し、自動的に給付額を調整しているのだ。こうして「満額」が決まり、免除期間の分を減額すると私たちの給付額になる。自分がもらえる額がわかれば、老後に向けていくら貯める必要があるかも見えてくる。
FPの勉強をするなら…
FPの勉強が役に立つのは、年金のことだけではない。たとえば、保険を選ぶときには「リスクマネジメント」の考え方が重要になるし、マンションや一軒家を購入する先は、「不動産」の項目で学んだことが生かせる。不動産であれば、売買契約や土地の価格に関する基礎知識が得られるから、契約の際に慌てなくて済むだろう。
FPの資格は、国家資格のファイナンシャル・プランニング技能検定3級~1級と、日本FP協会認定のAFP資格とCFA資格がある。まずは、技能検定の3級を受けるのがいいだろう。おすすめの教科書は『みんなが欲しかった! FPの教科書 3級 2020-2021年』(滝澤ななみ/TAC出版)。イラストを交えながらわかりやすい言葉で解説してくれるから、初学者でも安心だ。自分の生活に置き換えながら、ぜひ、お金の知識を身に着けてほしい。
文=中川凌