レシピいらずで味が決まる「1:1:1」の法則! オイスターソース1:しょうゆ1:酢1の組み合わせで3品作ってみた
公開日:2020/6/26
「イマイチ味が決まらないな…」とあれこれ調味料を足して、結果微妙な味付けの1皿が完成するという自炊あるある。この悩み、味付けのちょっとした法則を知っているだけで意外と簡単に解決する。
それを教えてくれたのが、『おいしい味付け 1:1:1の便利帖』(堀江ひろ子、ほりえさわこ/池田書店)。料理研究家で栄養士の2人の著者が、1:1:1での配合で味が決まる調味料の法則とそのレシピをまとめた1冊だ。
本書をめくると「1:1:1」の法則で作れる料理がこんなにあるの!? とそのバリエーションの多さに感動する。例えば肉じゃが、カレイの煮つけ、五目ちらし寿司、親子丼。これ全部、和食の基本となる「しょうゆ1:砂糖1:酒1」の味付けでできる料理だ。
調味料の配合を覚えるだけで、味が決まる&作れる料理の幅が一気に広がるなんてスゴイ! というわけで今回は「オイスターソース1:しょうゆ1:酢1」の組み合わせで作った3品をご紹介しよう。
酢の酸味が食欲をそそる「なすとひき肉のピリ辛炒め」(p.75)
1品目は夏が旬のなすを使った1皿。皮を縞目にむいて乱切りにしたなすをフライパンに入れて油をまぶし、水大さじ1を加えて蒸し焼きに、なすがしんなりしたら取り出す。同じフライパンに豚ひき肉と豆板醤を入れてしっかり炒め、にんにく、しょうがを加え、香りが出たら「オイスターソース1:しょうゆ1:酢1」を加えて煮立てる。なすを戻して炒め合わせ、最後に長ねぎのみじん切りを加えれば完成。
みずみずしいなすとコクのある中華風の味付けのコラボは最高。酢がきいていることでさっぱりとした口当たりになり、暑い季節にも食が進みそうだ。ごはんはもちろん、ビールのつまみにも◎。長イモやズッキーニで代用してもおいしいという。
中華風がおいしい「じゃがいものオイスターきんぴら」(p.78)
2品目は子どもも大好きなじゃがいものきんぴら炒め。フライパンにごま油、千切りにしたじゃがいも、にんじんを入れて強めの中火で炒める。「オイスターソース1:しょうゆ1:酢1」を加えて汁気を飛ばしながら炒め、器に盛っていりごまをかければできあがり。
きんぴらに酢!? と思っていたが酸味はほとんどなく、味に深みのある1皿に。酢が苦手な息子が「おいしい、おいしい」とパクパク平らげた。ちなみに1品目のなすのピリ辛炒めとはまた違った味わいで、食卓に一緒に並んでいても同じ調味料を使ったとは多分家族にも気づかれない!(=飽きずに食べられる)。しょうゆと砂糖を使った和風きんぴらもいいが、これもなかなかイケるのでぜひ試してみてほしい。
簡単なのに本格派! 「汁なし坦々うどん」(p.80)
最後は夏バテにぴったりの麺料理。フライパンに豚ひき肉、「オイスターソース1:しょうゆ1:酢1」、練りごま、豆板醤を入れてよく混ぜてから中火にかけ、肉がバラバラになるまで炒める。冷凍うどんを熱湯でゆで、ゆであがる直前に豆苗を加えてひと混ぜし、一緒にザルにあげて水気を切る。うどんと肉を器に盛り、ラー油をかければ完成。
「1:1:1」に練りごまと豆板醤を加えただけで、こんなに本格的な味わいになるとは! うどんに混ぜ込んだ豆苗のシャキシャキした食感も楽しく、あっという間に食べ終えてしまった。子ども用に豆板醤を抜いたバージョンを作ったら、これも大好評。これは我が家の夏料理のレパートリーに加えておこう。
以上3品、すべて「オイスターソース1:しょうゆ1:酢1」の黄金比率で作ったレシピだが、食材が変わるだけでこんなに味わい豊かな仕上がりになることに驚いた。
本書にはほかにも「しょうゆ1:砂糖1:みりん1」、「みそ1:しょうゆ1:はちみつ1」、「コチュジャン1:酢1:砂糖1」などさまざまな調味料の法則を紹介。食材変えやアレンジのアイデアが載っているのも毎日台所に立つ身としては助かるところだ。
「1:1:1」の法則さえ覚えておけば、夕食前にあわててレシピを検索せずとも冷蔵庫にあるものでパパっと作れるスーパー主婦になれるかも! 家庭料理のレパートリーがローテーション化している人(私もそのひとり)にもおすすめしたい1冊だ。
調理・文=齋藤久美子