いつもの料理が“5つのスパイス”でおいしく変身! スパイス料理研究家の「スパイス料理とカレー」レシピ【作ってみた】
公開日:2020/7/1
日本人の国民食と呼ばれるほど人気のカレーライス。最近ではいくつかのスパイスを独自に組み合わせて作るスパイスカレーが人気ですよね。
しかしスパイスカレーと聞くと、なんだか難しそう…というイメージをもつ人も多いはず。せっかく揃えたスパイスを最後まで使い切れるか不安、という人もいるのでは?
カレーはもちろん、いつもの料理にスパイスは活用できる! と教えてくれるのが、『おうちで楽しむ スパイス料理とカレー』(池田書店)。スパイス料理研究家の一条もんこさんが上梓した、家庭で作りやすく・本格的な味わいを楽しめるスパイス料理がまとめられたレシピ本です。
「5つのスパイス」でいつもの料理が華やかに変身!
料理に香りや色、辛みをつける役割をもつスパイス。いつもの料理にほんの少しスパイスを加えるだけで、香りが華やぎ、“味に立体感が生まれる”といいます。デトックス効果やアンチエイジングに効く成分が含まれており、カラダにもうれしい存在なのだそう。
種類がたくさんあるスパイスですが、本書で使うのは「クミン」「コリアンダー」「ターメリック」「チリペッパー」「カルダモン」の5種類。1つだけを使ってスパイスの個性を楽しむレシピから、複数のスパイスを組み合わせて作るものまで、60品以上のスパイス料理が紹介されています。
さらに、本書にはスパイス料理をおいしく仕上げる秘密がもうひとつ。にんにく(ガーリック)と、しょうが(ジンジャー)を合わせてペースト状にした「GGペースト」という万能調味料を使うことで、スパイス料理をより本格的な味わいに!
さっそく本書のスパイス料理を作って、そのおいしさを確かめてみました!
チキン65(pp.84~85)
スパイシーでジューシーなインド風から揚げ。インドでは鶏のから揚げを「チキン65」と呼ぶそうです。
作り方は鶏もも肉とヨーグルト、GGペースト、塩、スパイス3種(クミン、コリアンダー、ターメリック)をポリ袋のなかに入れてよく揉みこみ、冷蔵庫で1時間~半日漬け込みます。それに薄力粉、片栗粉をまぶし、油でからっと揚げて完成。
まず黄色くからっと揚がったチキン65の見栄えに食欲がそそられます。スパイシーな見た目ですが、口の中がヒリヒリするほどの辛さはありません。鶏肉のジューシーなうまみを、スパイスが程よく引き立ててくれます。
スパイスが効いたから揚げとレモンの相性も抜群! 夏場にビールと一緒に欲しくなる1品です。
豚の粗びき肉とひじきのカレー(pp.96~97)&ターメリックでレモンライス(p.88)
本書で紹介されている5つのスパイスすべてを使ったキーマカレー。ひじきを加えて、ヘルシーに仕上げた1品です。
レシピを確認してみると、使用する調味料や分量が細々と分かれていて難しそうな印象…。ですが、材料を並べ、分量さえ量ってしまえば、あとは順番に炒めて、煮込んでいくだけなので失敗しそうなポイントはありません。調理が進むほど、スパイスのいい香りがキッチンに広がります。
食べてみると、じっくり水分を飛ばすように煮込んだカレーは、うまみが凝縮されているよう! スパイスの辛みが舌に残り、後引くおいしさに変化します。本書の“スパイスが料理の味に立体感を与える”という意味がわかるような、味の奥行きや複雑なおいしさを実感できる1品でした。
そして合わせるライスは、白米よりも「ターメリックでレモンライス」が断然オススメ! 鮮やかな黄色が食欲をそそるうえ、レモンのさわやかな風味と、バターのまろやかなコクを感じるライスはスパイスカレーと相性ばっちり。レモンライスは調味料と米を炊飯器に入れて炊くだけの簡単レシピなので、ぜひスパイスカレーとセットで作ってほしい1品です。
5つのスパイスで、いつものおかずやカレーの可能性をぐっと広げてくれる本書。5つとはいえ、料理に使うスパイスの組み合わせはさまざまで、飽きることなく自分好みの味を追求できるはず。
まずは1つのスパイスを用意するだけで試せるレシピがある本書で、さっそくスパイス生活をスタートさせてみては?
調理・文=ひがしあや