ムダな会議に出たくない? 実績を上げる会議の最適人数は? 今見直したいダメな会議・MTG

ビジネス

公開日:2020/7/1

『SUPER MTG スーパー・ミーティング』(スティーヴン・G・ロゲルバーグ:著、桜田直美:訳/サンマーク出版)

「この後また1時間の会議か。集中力がもたない…」
 テレワークになっても、会社の会議・MTGは一向に減る気配を見せない。むしろ、上司・同僚の席や社内の廊下で気軽に話し合うことができないから、大した内容でなくともMTGを設定して時間を確保する必要があったりする。特にMTGが多い日は、なかなか個人の作業時間がとれず、気づけば何も進まないまま定時を迎えることも…。
 
 テレワークが広がり働き方改革が進む今、会議の質も見直してみてはどうだろうか。本書『SUPER MTG スーパー・ミーティング』(スティーヴン・G・ロゲルバーグ:著、桜田直美:訳/サンマーク出版)は、研究論文などのエビデンスに基づき、効率的なMTGのメソッドをわかりやすく教えてくれる本だ。実際に導入している企業の事例も紹介されているので、「自分のチームならどうするだろう?」とイメージもつきやすい。早速、内容を見てみよう。

開始が10分遅れたMTGはグダグダになる

 予定の時間になり、5、10分と時間が過ぎていく…。会議に必要なメンバーの誰か(だいたい偉い人)が数分でも遅刻すると、とたんにモチベーションが削がれる。こんなことはないだろうか。本書によれば、世の中の約50%のMTGが遅れて始まり、10分遅れると内容に悪影響を及ぼすという。お互いの発言をよく聞かず、むしろ妨害する傾向が強まるのだとか。

 役職が高い人や決裁者に「遅刻するな」というのはむずかしいが、チーム内のルール変更でこれをなるべく回避する方法もある。たとえば、グーグルでは、「50/25ルール」を導入している。1時間のMTGは50分に、30分のMTGは25分にそれぞれ短縮した。会議の内容が引き締まるし、5分10分の隙間時間があるおかげで、前後の移動や次の会議の準備にも余裕が出る。

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最適なMTGの人数は? 人が増えれば決断力が落ちる


 MTGの人数を減らすことで、メンバーが会議に費やす時間を減らすこともできる。私たちは、しばしば「とりあえず」で関係者を広く招待しがちだ(人数が多いことで安心したり、決まったことに対して後から文句を言われたくないという気持ちもあるかもしれない)。だが、このやり方では会議の質を落としてしまうという。

 本書で紹介されているベイン・アンド・カンパニーの研究によれば、7人以上の集団になると、1人増えるごとに決断力が10%減少するという。人数が多いMTGは、どうしても当事者意識が欠けてしまい、サボる人が増える。自分の業務と関係が浅いMTGに出席すると、やる気は下がってしまうというデータもある。では、どのようにMTGの参加者を決めればよいのだろうか。本書は、次のポイントを考慮し、ムダな出席者を減らすべきと語る。

(1)この議題に関する「情報」や「知識」があるのは誰か?
(2)この議題で「中心的な役割」を果たしているのは誰か?
(3)話し合われる内容についての情報を「必要」としているのは誰か?
(4)ミーティングで出た決定事項を「実行」に移すのは誰か?

 似たような導入例だと、グーグルでは「10人ルール」、アマゾンでは「ピザ2枚ルール」が導入されている。ピザ2枚では足りなくなる人数は会議に呼ぶな、ということだ。

 本書ではこの他にも、会議に呼ばなかったメンバーへのフォロー策や、MTGでポジティブな空気を保つテクニックなども数々紹介。こちらもあわせてチェックしてほしい。

 現在どこの職場でも新しい働き方を模索している。慣れないことが多く大変だと思うかもしれないが、大胆に現状を変えられるチャンスでもある。その改革に、ぜひ本書を役立ててほしい。

文=中川凌(@ryo_nakagawa_7

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