運がいい人も悪い人もいない!? 成功者は運のピークでつかみ取る/占いで強運をつかむ②

暮らし

公開日:2020/7/7

「ハケンの品格」など大ヒットドラマを数多く手がける人気脚本家・中園ミホさん。人生は全部占いで決めてきたという著者が語る「占いを人生に生かす秘訣」をご紹介します。しあわせになりたいあなたの背中をそっと押してくれるはず。

『占いで強運をつかむ』(中園ミホ/マガジンハウス)

運気の波に乗りなさい

運気の波をつかまえて乗りこなせるか、大波にさらわれてしまうかは、あなたしだい。
運の周期を知って、チャンスをつかみましょう。

 まるで神様にひいきされているような強運な人、ツキに見放されたような不運な人。どちらもあなたのまわりにいませんか。

 占い師のわたしからみたら、とくべつに運がいい人も、悪い人もいなくて、ただたんに運気がアップしたりダウンしたりするだけなのです。もっといえば、じつは運の種類や分量は、どなたもほぼ同じ。こんなことを明かすと、驚かれるかもしれませんね。

 では、なにが違うのかというと、運をピークでつかまえられるかどうか、そこの差が運のいい人、運の悪い人の、分かれ道なのです。

運には賞味期限がある

 これはわたしの持論ですが、「運には賞味期限がある」ということ。とっておきのキャビアだって、お気に入りのショコラだって、冷蔵庫の奥にしまっておいたら、いつの間にか干からびてしまいます。それは運気だって同じ。ほんとうにおいしくいただける期間は、もっと短くて、シャンパンの泡みたいにはかないものかもしれません。

 運は「生もの」だから、そう長くはとっておけない。だからこそ、運気の波、バイオリズムをあらかじめ知っておき、ここだと思ったら、ぐずぐずしないことがとてもたいせつです。

 上級者のサーファーが天気図を読み、潮の流れや風の向きを感じながら、波を待つように、人生の波を乗りこなせるのが、強運な人だと思います。

 サーファーが風向きや波のコンディションを予測するように、運気の波を乗りこなす天気図があるとすれば、それは占いではないでしょうか。

 なかには、ものすごく強運な星ならびを持つ人もいますが、たいていの「運がいいな」「ツイてるな」「人生がうまくいっているな」という人たちは、自分の運の上下を直感的につかまえられる人なのです。

占い師アシスタント時代

 これはわたしが二十代半ばに占い師をしていたころの話です。師匠の今村宇太子先生は、勝負事や数気学を占う大家でもあったので、個人鑑定にいらっしゃる8割ほどが男性のお客さまでした。

「男の人がわざわざ占い師にみてもらうの?」と、意外に思われるかもしれませんが、四柱推命や気学、数気学という占いの起源は中国にあって、もともとは争い事の戦術に使われていたのです。そのせいか、アジア圏の経営者や要人は、生年月日を公表しません。なぜなら、四柱推命で運気の弱っている時期を探られて、攻撃されたり、足を引っ張られたりするからだと教わりました。

 今村先生のもとには、政治家や企業のトップなど、人生の成功者の男性たちが、こぞって相談にいらっしゃいました。

 お茶を淹れたり雑用をしたり、また、その日にいらっしゃるお客さんのデータを下調べしたり、古い書物を読んで占いを勉強したりしていたのですが、時々、先生が蒼白な顔で私のところにやって、「もうダメ、きょうはあなたが占って」と、寝室に籠もってしまわれることがありました。というのも、先生はものすごく霊感の強い方なので、強烈な負の運気を持っているお客さんがいらっしゃると具合が悪くなってしまうのです。

 そういうときは代わりに私が鑑定していました。

「あの部下は、自分を裏切らないか」
「自分の幸運期はいったいいつまで続くのか」

 会社の事業相談、倒産、同僚の裏切り、人間関係、不倫、離婚……。

 今思い返すと人生経験を積んでいない小娘が「占い」という地図だけを頼りに扱うには、シリアスな相談事ばかりでした。

 占いは、普段の現実である表の世界に対する「裏の世界」であり、相談にやってくる人たちもまた、普段は誰にも見せない「裏側の顔」や「素顔」を占い師には見せてくれます。

 高級そうなスーツをビシッと着こなした企業のトップの方がお金遣いの荒い奥さんや娘の結婚で悩んでいたり、母親の話で泣いたりする。私は人間ってチャーミングだなと思いました。

 そして、どんな人にも、表と裏の顔があるけれど、私は光の当たっている美しい部分より、みっともなくて他人には見せられない「弱み」や「ほころび」のほうに強く惹かれました。とても愛おしいし、こっちのほうが面白くて好きだなと思ったのです。

 私のドラマに登場するキャラクターが、いびつで困った人たちばかりなのは、占いの世界で実際に出会った愛すべき人たちがモデルになっているからだと思います。

成功者は占いが大好き

 男の人は占いに興味がなかったり、拒絶反応を示したりする人も多くいます。「占い」や「運命」という言葉を聞くと、悪いことやあらがえない宿命を言われるんじゃないかとすごく怖いのだそうです。

 しかし、政治家や企業のトップなど、人生の成功者といわれる男性たちは占いが大好き。あのころ先生のもとに来られていたお客さんも、いいことを言われたら、それに乗ってどんどん突進して会社を拡げておられました。占いをきっかけにそこに向かって集中し、必ず運のピークをつかみ取るのです。責任のある立場の方ほど、運気の波に乗るのがとてもうまかったし、ご自身の運気だけでなく、まわりの人がもたらす運の影響も強く気にしておられました。

 また、トップの方たちは華やかに見えて、とても孤独です。ちょっとでも気をゆるめると足もとをすくわれたり、蹴落とされたり。転げ落ちる怖さや不安もあるのでしょう。

「自分は運命の女神に愛されている、強運がある」ということを確認するために占い師のもとを訪れていたのだと思います。そして、納得し自信を深めて帰って行く。そんな方をたくさん見ました。

<第3回に続く>