鉄火巻きは賭博場で食べられていた!? 「鉄火」の語源や由来を解説/毎日雑学

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更新日:2021/1/3

鉄火巻きは賭博場で食べられていた!?  「鉄火」の語源や由来を解説/毎日雑学

 

 身近なのに意外と知らない身の回りのモノの名前の由来や驚きの事実。オフィスで、家庭でちょっと自慢したくなる、知っておくだけでトクする雑学を、毎日1本お届けします!

 鉄火巻きや鉄火丼など、海鮮の中でもマグロが使われている料理は「鉄火」と呼ばれていますよね。

 他にもいろいろな巻物がありますが、納豆巻き、かんぴょう巻き、ねぎとろ巻き、など使われている材料がそのまま料理名となっています。それでは、なぜマグロだけ「鉄火」と呼ばれるのか、その語源や由来について解説していきます。

 

鉄火の本来の意味とは?

 まずは、そもそも「鉄火」とは本来どういう意味の言葉なのかを解説していきます。

「鉄火」といえばマグロを想像される方も多いかもしれませんが、本来の「鉄火」にマグロという意味はありません。「鉄火」とは本来、以下のような意味を持つ日本語です。

・高温で熱した鉄が赤くなっている状態
・熱した鉄を槌で打った時にでる火花

 このように、本来は海鮮どころか、食べ物とは全く関係のない意味を持つ日本語なんですね。

【元祖は鉄火味噌】

「鉄火」の付く料理名の元祖は海鮮ではなく、「鉄火味噌」と呼ばれる味噌料理でした。鉄火味噌が作られるようになったのは江戸時代だったとされていて、実際に江戸時代後期に書かれた文献にも登場しています。

 鉄火味噌は赤味噌などの豆味噌の中に、根菜系の野菜や大豆などを加え、砂糖、みりん・唐辛子などの調味料を加えて混ぜ込んだ料理となっています。いわゆる「なめ味噌」の一種であり、赤味噌と唐辛子を使うことから色合いが赤く、唐辛子の辛みがあることから「鉄火」となったとされています。

 このように、当時の「鉄火」の付く料理は現在のように海鮮系の料理ではなく、赤くて辛い料理のことを意味していたんですね。

【昔の鉄火寿司はエビを使っていた】

 現在の鉄火とは異なりますが、鉄火丼や鉄火巻きが登場する前に、既に「鉄火寿司」と呼ばれる海鮮料理が存在していました。鉄火寿司の主な食材は芝エビであり、芝エビを煮て刻み、それを酢飯の上にちらして食べるちらし寿司のような食べ物だったそうです。

 鉄火には「賭博」という意味もあったことから、賭博で負けて身を崩すことが由来で、エビを刻んで崩した寿司のことを鉄火寿司と呼んでいたんですね。海鮮系の「鉄火」については、この鉄火寿司が元祖だったと考えられています。

 

鉄火巻きや鉄火丼の語源や由来

 続いて、鉄火巻きや鉄火丼の語源や由来について解説していきます。

【赤くて辛かったから】

鉄火巻きは賭博場で食べられていた!?  「鉄火」の語源や由来を解説/毎日雑学

 

「鉄火味噌」の解説でも触れましたが、元々は「鉄火」は赤くて辛い食べ物を意味していました。そのため、ワサビを入れた鉄火巻きや鉄火丼が赤くて辛かったことが語源・由来となったという説があります。

 また、本来の鉄火には「高温で熱した鉄が赤くなっている状態」という意味もありますよね。そのため、マグロの赤色が熱した鉄の赤色のように見えたことも語源・由来の一つとなったと考えられています。

【賭博場で食べられていたから】

 鉄火巻きについては「賭博場で食べられていた」ことが語源・由来となった説も存在します。先ほども解説しましたが、賭博場は火花を散らせて熱くなる場所であることから「鉄火場」とも呼ばれていました。

 そして、賭博に熱中する博徒たちは、食事の時間も惜しんで賭博に熱中していたため、片手で食べられる巻き寿司を好んで食べていました。最初はかんぴょう巻きを食べていましたが、マグロを巻いて食べるようになったため「鉄火巻き」となったとされています。

 確かに巻き寿司であれば、手を汚さずに片手で食べられることから、賭博場で食べるのに適していますよね。ちなみに、サンドイッチもギャンブルの最中に手を汚さず、片手で食べられるように作られたものだとされています。

以上が「鉄火巻きや鉄火丼の語源や由来」についてでした。

 

まとめ

「鉄火」には本来「高温で熱した鉄が赤くなっている状態」「熱した鉄を槌で打った時にでる火花」という意味がある。

 元祖は鉄火味噌だとされていて、赤味噌と唐辛子が使われていて、赤くて辛いことが語源・由来となり「鉄火」となった。

 その後、鉄火巻きや鉄火丼に使われるマグロが熱した鉄のように赤く、ワサビを付けると辛いことが語源・由来で「鉄火」と呼ばれるようになった。

 賭博場である「鉄火場」で、手を汚さずに手軽に食べらえることからマグロの巻き寿司を「鉄火巻き」と呼ぶようになった説も存在する。

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