「30歳で年収1000万円」20歳からの目標を達成したmotoさんの「軸ずらし転職」とは?【前編】/あの人の仕事論⑦
公開日:2020/7/9
自分らしく働き、時代の第一線を行くトップランナーたち。彼らはどんな風にして今のキャリアを手にしたか。ときには挫折も経験しながら、紆余曲折を経て現在のポジションを獲得した彼らに、“仕事とは何か?”を聞く『Indeed特別編集 あの人の仕事論』(KADOKAWA)から、「あの人」の多様な働き方や生き方、仕事に対する考えを紹介。
会社員/HIRED株式会社 代表取締役CEO
motoさん (33歳 東京都)
数々の転職を経験し、現在6社目に在籍のmotoさん。過去5回の転職は「自分の市場価値を上げる」ための戦略であり、20歳で決意した目標達成の手段だったと言う。「お金を稼ぐ」「働く」とはどういうことなのか、彼のメソッドはこうだ。
どんな能力を身に付ければこの会社でいくら稼げるのか?
33歳現在、年収1500万円のサラリーマンであるmotoさん。彼のキャリアは、年収240万円のホームセンターから始まった。20歳。そのとき、すでに「30歳(10年)で年収1000万円」という明確な目標を掲げていた。
「高3の頃がホリエモン(堀江貴文)全盛期で、若手が大金を稼ぐ六本木界隈の世界観に漠然と憧れました。自分もああいうカッコいいサラリーマンになるにはどうすればいいか。具体的な行動を考えるというより、まず決めたのが、30歳で年収1000万円にする、ということでした」
手始めが、短大卒業後に入社した地元のホームセンター。実は、短大を選んだのにも理由がある。
「周囲の4年制大学の人を見ると、奨学金を背負いつつも、3・4年生では暇そうにプラプラしていて、正直疑問でした。だったら自分は短大を選んで先に社会に出て、その2年間で差をつけてやろうと思ったし、それが目標への最短コースになると考えました」
プラス、「自分は奨学金を背負えない=借金返済は相当厳しい」との判断もあった。というのも、お金を稼ぐ難しさを、小学生時代から知っていたからだ。小遣いがもらえなかったため、自分の頭を使って工夫し、稼がねばならなかった。
「親に借金はできたけど、利子付きで返済しなければならなかった。中高生の頃は、もはや個人事業主に近かったですね。振り込みのない月は、欲しいものもやりたいことも諦めなければならない」
知恵と行動の対価として「売り上げ」があり、経費を引いた純益が自分に入る。給与を「もらう」のではなく、能動的・主体的に働いて「稼ぐ」概念、仕事とお金の関係を体験的に理解したmotoさん。
「会社員になると毎月絶対に入金されるというありがたさ。会社員ってすげえ!と思いました」
では、どうやって「30歳で年収1000万円」を達成すればいいのか。実際、達成したのか。
「僕の最初のキャリアはレジ打ちです。そのときから稼ぐ感覚がありましたから、在籍する会社の年収テーブルと、各年収テーブルで求められる能力を把握しました。つまり、この会社ではどんな能力があればどれだけ稼げるのかを知る。それによって、自分が身に付けるべき能力を明確にしたんです」
近年、こうした評価テーブルはどの会社でも透明化されつつあり、知ることができる。レベルアップしたmotoさんは人事の業務に携わるようになり、副業のブログも開始。そして、次の会社へと「軸ずらし転職」をした。
(後編に続く)