北海道の「道」って? “北海県”ではないが昔は道内に県があった!/毎日雑学
更新日:2021/1/3
今回は「北海道という名称の由来」ということで、北海道にまつわる雑学を紹介します。
普段生活していて意識することがないことから、北海道に住んでいる人でも北海道という名称の由来について知っている人はごく僅かです。
よく考えてみれば、都道府県の中で北海道だけ「道」なのはなんだか不思議な感じがしますよね。実は、北海道にも昔は「県」が設置されていた時期があったのをご存じでしょうか?
北海道の名称の由来
それではさっそく「北海道」という名称の由来について解説していきます。皆さんも歴史で習ったかと思いますが、開拓される前の北海道は「蝦夷地(えぞち)」や「蝦夷が島(えぞがしま)」などと呼ばれていました。
【北海道と名付けられるまでの歴史 】
実は「北海道」という名称になったのは明治時代になってからのこと。それまでは正式に日本の領土という訳ではなかったんですね。
北海道が蝦夷地と呼ばれていた時代には、アイヌ民族によって独自の文化が築き上げられていました。アイヌ民族としての歴史は13世紀ごろに始まりましたが、14世紀に入ると蝦夷地へ移住をする和人が増え始めました。その後、蝦夷地に住むアイヌ民族と和人の抗争は長く続き、1604年に松前藩が設置された後も、度々衝突が繰り返されました。
やがて、ロシアが南下政策を始めて日本の脅威になり始めると、警護を目的として蝦夷地がようやく幕府の直轄化となりました。そして、1869年になると、明治維新後の新政府によって北海道と名付けられたのでした。
【北海道と名付けた人物 】
北海道と名付けた人物は松浦武四郎とされています。松浦武四郎は江戸時代が末期の頃から幾度となく蝦夷地へ赴き、蝦夷地にまつわる調査をしていました。そして、アイヌ民族との交流もあったことから、時にはアイヌ民族の協力を得ながら蝦夷地の探検をしていたそうです。その後、ロシアの南下政策に備えて、蝦夷地の本格的な開拓が必要になった時、政府は松浦武四郎を頼りにしました。
そこで、松浦武四郎は蝦夷地に変わる地名の候補をいくつか挙げたのですが、その中に「北加伊道」がありました。その頃のアイヌ民族は自分達のことを「加伊」だと名乗っていたことから、「北の加伊の道」ということが由来で「北加伊道」となったのです。協議の末、最終的には「加伊」が「海」となって、現在の「北海道」という名前が誕生したのです。
昔は県が設置されていた時期もあった
実は「北海道」と名付けられて開拓がある程度進められた後に、北海道にも「県」が設置されたことがありました。想像しづらいですが、当時は「札幌県」「函館県」「根室県」が存在していたのです。
しかし、既に北海道で定着していたこともあって混乱を招いたことから、最終的には廃止されて北海道に戻りました。その時に北海道へと戻されていなければ、現在でも「札幌県」「函館県」「根室県」が存在していたかもしれないと思うと、なんだか不思議ですね。
そもそも都道府県の「道」って何?
最後にそもそも糖道府県の「道」とは何を意味するのかについて解説します。日本には「行政区画」というものが存在しますが、昔の日本では「道」といえば行政区画のことでした。「行政区画」についての詳しい説明はここでは省略しますが、現在の「関東」「東北」「四国」など、一定の地域を意味するものだと思ってもらうとイメージしやすいと思います。
そして、昔は「七道」と呼ばれる七つの行政区画が存在していました。
昔の行政区画については以下の通りです。
・山陽道(さんようどう)
・山陰道(さんいんどう)
・東山道(とうさんどう)
・東海道(とうかいどう)
・西海道(さいかいどう)
・北陸道(ほくりくどう)
・南海道(なんかいどう)
そして、明治時代に入ってから、この行政区画の命名規則に則って「北海道」となったのです。現在は「七道」という行政区画は無くなりましたが、当時の名残りで今も「北海道」となっているんですね。以上が「北海道という名称の由来」についてでした。
まとめ
北海道は「北海道」と名付けられる前には「蝦夷地(えぞち)」や「蝦夷が島(えぞがしま)」と呼ばれていた。
ロシアが南下政策を始めて日本の脅威になり始めると、警護を目的として蝦夷地がようやく幕府の直轄化となり、明治維新後の新政府によって、ようやく北海道と名付けられた。
北海道という名前を考えたのは松浦武四郎という人物だとされており、当時のアイヌが自分達を”加伊”と名乗っていたことから、「北加伊道」という名前を候補に挙げた。
最終的には「北海道」が採用された。
「道」とは昔の七道と呼ばれる行政区画の名残りでつけられたものである。
※提供している情報には諸説ある場合があります。ご了承ください。
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