糖質オフ×プチ断食の“W効果”でやせる! 脂肪を燃やしてエネルギーに変える食事術
公開日:2020/7/23
ダイエットの主流となりつつある糖質オフ。「ダイエット中だから、お米(糖質)は控えている」という人も多いかもしれない。しかし『糖質オフ×プチ断食のW効果でやせる!不調が消える!』(清水泰行:監修/主婦の友社)によると、実はこの糖質オフの考え方は正しくないという。
普段の食事から、単純に糖質をカットしてしまうと、人のカラダはエネルギー不足に陥ってしまう。糖質を控えるなら、その分、肉や魚、卵などのおかずを増やし、たんぱく質や脂質をしっかりととる必要がある。糖質オフ=極端なカロリー制限になっている人が多いのだ。
正しい糖質オフの食事に加えて、プチ断食に取り組むことで、やせる&太らないのW効果でカラダにアプローチできるメリットを解説する本書。その理論を詳しく見ていこう。
糖質オフとプチ断食の組み合わせでやせる理由
本書のメソッドは、正しい糖質オフの食事を心がけることと、朝食はやめて1日2食にするプチ断食を組み合わせて行う。夕飯は18時から20時の間に済ませ、朝食はとらないことで14~15時間の食べない時間を作るのだ。
そもそも、私たちが太る原因は糖質をとることで「インスリン」というホルモンが分泌されるためである。糖質をとると体内で分解されてブドウ糖になる。そこですい臓から分泌されるのが「インスリン」だ。別名「肥満ホルモン」と呼ばれるインスリンがはたらくと、糖質をとったとき、カラダに必要なブドウ糖はエネルギーとして使われるが、余った分は脂肪細胞に取り込まれ、体脂肪として溜めこまれてしまう。
そのため、正しく行えば、糖質オフの食事だけでもダイエットの効果はある。しかし現代人は米や麺類などで糖質過多の食事になりやすいうえ、コンビニスイーツや甘い飲料といった誘惑も多い。絶えず糖質をとり、インスリンが分泌され続ける生活をしやすいのである。
プチ断食をすると脂肪が燃えやすくなる!
そこで、プチ断食の出番である。夕飯を早めに済ませ、朝食をとらない生活にシフトすることで食べない時間を作り、インスリンの分泌量を減らすのだ。
人のカラダにはエネルギーを作りだすシステムがいくつかあり、ひとつは糖をエネルギー源とする「ブドウ糖―グリコーゲン回路」だ。糖質を多くとっている人は、この回路がメインシステムとして優先されている。一方、ブドウ糖が不足した場合は、脂肪を燃焼してエネルギーを作りだす「脂肪酸―ケトン体回路」がオンになる。
つまりプチ断食を取り入れることはインスリンの分泌量を減らすことに加えて、「脂肪酸―ケトン体回路」をオンにし、脂肪を燃やしてやせやすくなる効果も期待できるのだ。
脂質入り朝ドリンク&糖質オフメニューでダイエット
糖質オフ×プチ断食のダイエット理論が分かったところで<実践編>である。
このメソッドでは、朝食べないかわりにエネルギー補給&空腹感をやわらげる脂質入りのドリンクメニューをすすめている。そのひとつが「バターコーヒー」(p.32)だ。
バターコーヒーの作り方
【材料(1杯分)】
・コーヒー(あたたかいもの) 200ml
・バター 大さじ1~2
・ココナッツオイル 大さじ1~2
【作り方】
カップにバターを入れ、コーヒーを注ぐ。ココナッツオイルを加え、十分にまぜる。
※まぜるだけだと、油とコーヒーが分離して飲みにくいので、かくはんしてコーヒーが白っぽくなるまで乳化させるのがコツ。
ココナッツオイルは他の植物油より速くエネルギーに変換されるため、朝飲むドリンクに加えるのに最適。夏場、冷えたものが飲みたい場合は、液体で溶けやすいMCTオイル(中鎖脂肪酸)を使うのもオススメだそう。
糖質オフの食事では、主食を控えめにするかわりに、たんぱく質や脂質をしっかりととることが基本だ。肉や油が多いとカロリーが気になる…という人もいるかもしれないが、本書によると摂取カロリーとやせること・太ることは関係ないと考えていいという。しっかりと食べ、その中で糖質オフをしていくのが好ましいのである。
そうなると、手っ取り早くたんぱく質をとるのに理想的なのが、肉料理である。甘い味の調味料を使うことはなるべく避け、他の栄養素や食物繊維が豊富な野菜、きのこ類などを一緒にとれるメニューがオススメだ。本書のレシピの中から「みそだれジンギスカン」(p.53)を紹介する。
みそだれジンギスカンの作り方
【材料(1人分)】
・ラム薄切り肉(または豚・牛の焼き肉用、切り落とし肉) 200g
・もやし 1袋(200g)
・エリンギ 80g
・パプリカ(赤・黄) 合わせて1/4個
A みそ、プレーンヨーグルト 各大さじ2
A みりん 大さじ1/2
A おろしにんにく 小さじ1
【作り方】
1:ボウルにAを入れて合わせ、肉を加えてもみまぜ、20分ほどおく。
2:もやしは気になるようならひげ根を除く。エリンギ、パプリカはともに食べやすい大きさに切る。
3:ホットプレートを高温で熱し、1、2を焼きながら食べる。
太っていることは見た目だけの問題にとどまらず、万病のもとである。しかしその改善のために、間違った糖質オフをしたり、極端なカロリー制限をしたりして、カラダをエネルギー不足にしては本末転倒である。
太るメカニズムや正しい糖質オフ知識を理解して、太らない&やせる(脂肪が燃えやすい)カラダを目指していこう。
文=ひがしあや