長時間マスク着用で息苦しい…“隠れ酸欠”かも!? 深い呼吸で免疫力を高める横隔膜エクササイズ
公開日:2020/8/1
外出自粛生活が長く続いていると、何だか体が重くなった気がする…という人もいるかもしれません。かくいう筆者もそのひとりですが、ステイホームが続く中で、自宅でもできるエクササイズは年齢性別を問わず、健康を維持するために欠かせません。
頭痛や肩こり、疲れやすさの理由のひとつは「隠れ酸欠」によるものと指摘するのが、『“隠れ酸欠”から体を守る横隔膜ほぐし』(京谷達矢/青春出版社)です。本書より、手軽に実践できる「横隔膜エクササイズ」の必要性と方法を紹介していきましょう。
椅子の上でも寝たままでもOKの「横隔膜ほぐし」
本書の解説によると、横隔膜の役割は、「呼吸」を助け「腹圧」を高めること。人間は1日に約2万回の呼吸をしているといわれますが、充分な呼吸ができなければ体のいたるところに弊害が出てきます。特に、コロナ禍ではマスクの長時間着用や、外出できないストレスなどにより、“隠れ酸欠”に陥っている人たちが少なくないそうです。隠れ酸欠は心身の不調だけでなく、免疫力低下にもつながるおそろしい症状です。
では、どのように横隔膜を刺激すれば、呼吸の効率が上がるのか。はじめに紹介するのは、基本となる「横隔膜ほぐし」です。
横隔膜の位置は、胸とお腹のちょうど真ん中辺り。胸の下あたりにそっと両手をかざして、上体を前に倒しながら呼吸をしてみましょう。
(1)椅子に座った状態、もしくは仰向けに寝た状態でみぞおちあたりに両手の指を置き、3秒数えながら鼻から息をたっぷりと吸い込み、お腹をふくらませます。
(2)親指以外の4本の指で先ほどふれたポイントをグッと押します。そして、体を前へ倒しつつ、10秒数えながら口から息を吐き、お腹をへこませます。息を吐ききったら上体を戻して、1~2の工程を3回繰り返しましょう。
ヒザを使った下半身のお手軽エクササイズ
続いて紹介するのは、ヒザを使って上下運動をするだけで行うことができる、下半身の「ぶるぶる体操」。太ももを刺激することで、全身のリンパの流れも高めることができるお手軽エクササイズです。
(1)立ったまま両足を肩幅に開いて、上半身の力を抜きます。少し肩を落とすようなリラックスした状態のまま、ヒザをわずかに曲げながら立ちましょう。
(2)先ほどの姿勢のまま、息を「フッフッ」と吐きながらヒザを細かく曲げて伸ばします。バネのように体を動かすイメージで30秒〜1分ほど続けましょう。
ウエストの引き締めも期待できる肩甲骨の鍛え方
最後に紹介するのは、加齢や運動不足でなまりがちな肩甲骨まわりを鍛えることができる「肩甲骨落とし」です。姿勢をよくしてくれるほか、ウエストの引き締めにも効果があるそうです。
(1)足を肩幅に開いて立ち、息を吸いながら手首を交差させます。お腹からお尻にかけてまっすぐ上へ伸びるようなイメージで、手を合わせた状態で両腕をできるだけ高く引き上げます。
(2)1の体勢のまま息を吐きながら、上体をゆっくりと右へ倒します。左脇腹がスッと伸びているような感覚を味わいながら、息を吸い込みもう一度1の体勢に戻します。
(3)2とは逆に、今度は上体を左へ倒していきます。右脇腹が伸びているようなイメージをつかみながら、息を吸い込みふたたび1の体勢に戻します。
(4)左右の工程が済んだら、肩の力を抜いて両腕をストンと下までおろします。このとき、ヒザはゆるめに軽く曲げましょう。
本書にあるのはどれも身近にできるお手軽なエクササイズばかり。呼吸が深くできるようになり、“隠れ酸欠”が解決できれば、免疫力アップにもつながるそうです。自宅にいる時間が増えて体がなまってしまったと感じている方は、ぜひ仕事や家事の合間に簡単エクササイズを取り入れてみてください。
文=青山悠