『東京喰種』の石田スイが全面プロデュース! 少年歌劇×シミュレーションゲーム『ジャックジャンヌ』
公開日:2020/8/6
『うたの☆プリンスさまっ♪』を筆頭に、数多くの乙女ゲームを発表してきた株式会社ブロッコリーが新たに送り出すのは、『東京喰種 トーキョーグール』の石田スイ氏がキャラクターデザイン・イラスト・シナリオすべてを手掛ける本格シミュレーションゲーム『ジャックジャンヌ』。プロデューサー・山下大介氏のお話とともに、その内容と魅力を紹介する。
性別を隠し少年歌劇の世界で夢を追う少女の物語
男性歌劇の最高峰と言われる劇団・玉阪座。その管理下で役者を育てつつ公演を行うユニヴェール歌劇学校に、立花希佐は2つの条件付きで入学を許された。一つは、1年の最後に行われる最終公演で主演になること。もう一つは、女性である事実を隠し通すこと――。
夢を叶えるため、日々稽古に精を出す希佐と仲間たちの青春を描く『ジャックジャンヌ』は、スポ根と恋愛、2つの要素を両立させたシミュレーションゲームだ。彼女が所属するクラスは“透明に輝く才能の原石”を意味する〈クォーツ〉。仲間6人のうち、誰を公演のパートナーに選ぶかで、役者への道筋はもちろん、恋愛模様も異なってくる。用意されたエンディングは20以上。公演の優勝を争う、勝利をめざし踊る〈オニキス〉、絢爛たる歌声をもつ〈ロードナイト〉、暗躍せし奇才〈アンバー〉という3つのライバルクラスの生徒たちとどう絡んでいくかも見どころである。
しかしいちばんの注目は、なんといっても『東京喰種 トーキョーグール』で知られる石田スイ氏の美麗なるイラストだろう。キャラクターデザインだけでなく、約160枚のイベントイラストもすべて石田氏による描きおろし。さらには「素晴らしい企画」と賛同した石田氏みずからメインシナリオ制作への協力を申し出て、『東京喰種 トーキョーグール』のノベライズを担当する十和田シン氏とともに手掛けたというから驚きだ。そのボリュームは小説20冊以上、細部まで丹念に練られた世界観とキャラクタードラマが期待できる。
「作るなら、最高の乙女ゲームを徹底的に作りたい」という石田氏の熱情と、「乙女ゲームのジャンルを超えたヒットコンテンツを作りたい」という株式会社ブロッコリーの信念。その2つが掛け合わせられたとき生まれる、至上の物語――。12月3日の発売を、今はただ座して待つのみである。
石田スイが描く魅力的なキャラクターたち
(1)立花希佐(CV:寺崎裕香)
本作の主人公で、ジャックとジャンヌのどちらも演じる可能性をもつ1年生。ジャックエースとして「ユニヴェールの至宝」と呼ばれた兄・立花継希をもつ。
(2)根地黒門(CV:岸尾だいすけ)
3年生。クォーツの組長。ジャック(男性役)・ジャンヌ(女性役)両役をこなすだけでなく、舞台脚本執筆から演出まで手がける。エキセントリックな性格で周囲を振り回す。
(3)世長創司郎(CV:佐藤 元)
1年生。立花希佐の幼なじみで唯一秘密を共有する相手。立花継希と3人で演劇ごっこをした過去も。ジャック志望だがジャンヌに配役される。想いを表現するのが苦手。
(4)高科更文(CV:近藤孝行)
3年生。その華やかさと舞踏力でアルジャンヌ(女性役の主役格)を任されている。飄々としているが、勘は鋭い。かつて立花希佐の兄・立花継希のパートナーだった。
(5)白田美ツ騎(CV:梶原岳人)
2年生。少女のような容姿をもつクォーツの歌姫(トレゾール)。芝居・ダンスへの関心は薄いが歌に対してはストイック。個人主義だが、洞察力は優れている。
(6)睦実 介(CV:笠間 淳)
3年生。ジャックエース(男性役の主役格)として高科更文を支える。寡黙で1人の時間を好むが、クラス内には常に気を配り、困っている生徒がいれば手を貸す優しさも。
(7)織巻寿々(CV:内田雄馬)
1年生。立花継希のようなジャックエースになりたいと憧れている。不器用だが、クラスのムードメーカー的存在で、誰に対しても物怖じしない気さくな性格。
重厚なストーリーと本格リズムアクションが楽しめるゲームシステム
ストーリー
1年を通じて行われる公演は5つ。その過程で誰と親密度をあげるか、どんな結果を残すかでエンディングは変わる。公演は、作中作としてキャラクターたちの演技のもと楽しめるので必見。
リズムゲーム
公演本番を彩るのは、キャラクターの歌声が楽しめる歌唱パートと、ダンスが展開されるリズムパート。生楽器による演奏のもと、未経験者から上級者まで楽しめる音楽ゲームを用意。
ゲームプロデューサー 山下大介インタビュー
歌劇を通じた成長とその先にある恋愛を楽しんでほしい
「男性も楽しめる少女マンガ」と石田スイ氏も言う本作。ターゲット層を当初想定していた女性から広げ、性別を問わずに楽しめるものを、と制作過程で進化した。
「個人的には、少女/少年マンガの区別は単なるとっかかりでしかなく、おもしろければそれでいい、という認識です。でも実際は、男性が少女マンガや乙女ゲームに手を伸ばすのはなかなかにハードルが高い。“あなたも好きになってくれていいんだよ”と手を差し伸べてくれる存在があって、初めて未知のジャンルに踏み入ることができるんじゃないかと思ったんです。我々ブロッコリーが制作するのは女性向けの恋愛ゲームという印象が強いかと思いますが、『ジャックジャンヌ』はその限りではありません。少年たちの歌劇という設定のもと、シナリオを読むアドベンチャーゲームだけでなく、リズムアクションゲームも充実させています。どちらも手を抜かず、独立して販売してもおかしくないクオリティを目指しましたので、恋愛ゲームはちょっと苦手、という人でも楽しめるつくりになっているはずです」
現実が恋愛だけでは成立しないように、本作においても「恋愛は歌劇を通じて成長した先にある一つの結果にすぎません」と山下さんは言う。
「傾向として、少女マンガは“他人を通じて主人公が救われる”、少年マンガは“主人公を通じて他人が救われる”ところに魅力がある気がしていますが、性別を超えて愛される作品は例外なく、その2つを両立させています。そして、主人公のみならず周囲のキャラクター全員に、一人の人間として魅力があり、個々の成長が生々しく感じられるものになっている。『ジャックジャンヌ』もそうありたい、と思いました。そのために、恋愛に移行する前にまず人としての絆を育む過程を描きたい。だから、選んだキャラクターと歌劇でも恋でもパートナーとなるエンディングを用意する一方、仲間たちと協力して学校の闇と対決する、恋愛抜きのルートも用意しました。前者はロマンティックで、後者はアツい。共通するのはどちらも“青春”を楽しめること。従来の乙女ゲームを超えた『ジャックジャンヌ』という唯一無二のジャンルを楽しんでもらいたいと思います」
その唯一無二性を成立させているのが、石田スイ氏とのタッグ。
「繊細なタッチと鮮やかな色彩から紡がれる世界観が素晴らしいのはもちろんですが、石田先生はとにかく発想の引き出しが多いんです。ふだんの会話でも『その考え、どこから出てくるんだろう』と驚かされますが、本作はその神髄を余すところなく感じられるものになっています。また、先生の『作品の完成度を高めたい』という想いのもと、作中楽曲にいたっては声優さんや制作人が、ゲーム楽曲としては異質なほど時間をかけてレコーディングを行いましたし、公演パートの3Dダンスは、乃木坂46の振付を担当したSeishiroさん監修のもと開発したりと、ふだんゲームをしない方でもさまざまな角度から楽しめるはず。ゲーム好きの方には、何度でもやりこめるように難易度を設定したり、隠し要素を仕込んだりしているので、長く深く味わっていただけると思います。今後は、動画配信サイトなどでゲームとは異なる形で世界観を味わえる企画もご用意しますので、ゲーム機を持っていない方もぜひチェックしてみてください」
やました・だいすけ●1991年、兵庫県生まれ。ソーシャルゲームのプランナーを経て、『ジャックジャンヌ』に参加するため株式会社ブロッコリーに入社。本作がプロデューサーとしてのデビュー。石田スイ氏いわく「入社3日目で重要な会議の進行を任されたりするというかわいそうなやつ」。
取材・文:立花もも
(c)Sui Ishida/BROCCOLI
ジャンル:少年歌劇シミュレーションゲーム
対応機種:Nintendo Switch/Nintendo Switch Life
発売日:2020年12月3日
価格:通常版・ダウンロード版 各7800円(税別)
限定ユニヴェールコレクション 1万2300円(税別)
原作・キャラクターデザイン:石田スイ
シナリオ:十和田シン、石田スイ コンセプトアート:浪人
音楽:小瀬村 晶 振付:Seishiro
企画・発売元:株式会社ブロッコリー
詳細は公式サイトをチェック! https://jackjeanne.com/
*画像は開発中のものです