老化する諸悪の根源、それは「AGE」だった! アンチエイジングにいい18種のオススメ食材と老けない食生活の工夫

暮らし

公開日:2020/8/9

老けない人はこれを食べている マンガ版
『老けない人はこれを食べている マンガ版』(森下えみこ(漫画)牧田善二(著)/新星出版社)

 人間である以上、老い衰えていくことは逃れ得ない宿命である。だからこそ、いつまでも若くありたいと人が願うこともまた必然なのだろう。ならば、人間の体がいかに老化していくかを知ることは、若さを失わないためにも必須のはず。『老けない人はこれを食べている マンガ版』(森下えみこ(漫画)牧田善二(著)/新星出版社)は、老化の原因やそれを抑えるための食生活などを、漫画化することでより分かりやすく教えてくれる。

 まず「老化」に関してだが、「酸化」が原因であると聞いたことのある人は多いかもしれない。酸化とは体内の細胞が「活性酸素」によって傷つけられ、体のあらゆる部分がボロボロになっていくこと。たとえるなら体が「サビる」ということだ。しかし本書によれば、実は酸化をはるかに上回る老化の「根源」が判明したという。それこそが「AGE」なのである。

 この「Advanced Glycation End-Products(終末糖化産物)」──略して「AGE」は、体の「糖化」によって大量に作られるという。糖化とは体内のタンパク質と余分な糖質が結びつくことで、体内のタンパク質が老化してしまう現象。例えるなら体が「コゲる」ことだ。この現象から大量に発生するAGEは、多くの老化現象に関連する極めて厄介な悪玉物質なのである。肌のシワやシミといった目に見える老化から、動脈硬化やアルツハイマーなど加齢により罹りやすくなる病気まで、AGEは大きな原因のひとつと考えられているのだ。

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 ではAGEを増やさないようにするためには、どうすればよいのか。原因に糖質が関係あるのだから、やはり日頃の食生活に気をつける必要がある。AGEは「タンパク質と糖質を同時に高温で加熱すると、大量に発生する」という。これに該当する食品が何かといえば、ズバリ「こんがりと焼き色のついているもの」だ。唐揚げやステーキ、パンケーキにたこ焼きなど、具体的に挙げたらキリがない。このような食品を避けることが、AGEを溜めない秘訣なのである。

 ならば何を食べればよいのか、と思う向きは多かろう。本書では「積極的に摂りたい栄養素・成分」を提示している。それは「ビタミン」「ポリフェノール」「α-リポ酸」の3つ。これらが豊富に含まれている食品を選べばよい。もちろんオススメ食材も掲載してあるので、その18種類を紹介しよう。

「ウナギ」「マグロ」「カツオ」「鶏むね肉」「牛肉」「豚肉」「豆乳」「豆腐」「納豆」「卵」「チーズ」「ブルーベリー」「ナッツ類」「オリーブオイル」「酢」「コーヒー」「ワイン」「チョコレート」

 このような食材を、ただ食べればよいというワケではない。先述のように、AGEは高温で加熱すると大量に増えてしまう。例えば豚肉でもベーコンやハムなどの加工品はAGEが多く、それをさらにカリカリに焼いてしまうと、AGEの量はハネ上がる。本書で勧める「老けないための食事のルール」は──「1.一日のAGE摂取量は7000KUまでにする」「2.調理法は『生』『ゆでる』『蒸す』『煮る』」「3.糖質をなるべく摂らないようにする」の3つ。巻末には「食品のAGE含有量リスト」も付いているので、参考にしたいところだ。

 困ったことに、唐揚げやハンバーグといった「こんがりと焼き色のついているもの」は、大変美味なものが多い。もちろんそれらをすべて絶つことは難しいだろうし、私などはムリだと断言できる。要は付き合いかたなのである。例えば本書でも唐揚げにレモンの絞り汁をかけることでAGEを抑える効果などを紹介しており、うまく活用すれば美味しいものを諦めずに済みそうだ。とはいえ、やはり「AGE」はアンチエイジングには「NG」ということで──。

文=木谷誠