人材流出を解決!? 「転職させないエージェント」という発想が話題
公開日:2020/8/26
仕事内容や条件面などで“転職”を考え始めると、「次の会社選び」に夢中になってしまうもの。しかし場合によっては、社内のどこかに“もっと活躍できる場所”があるかもしれません。
“転職させないエージェント”というアイデア
先日Twitterで、とある企業人のつぶやきががちょっとした話題になりました。投稿したのは、最近社内からの“人材流出”が激しいことに悩みを抱える人事担当者。仕事選びは「本人の希望が最優先」と思いながらも、一足飛びに“転職”に飛びつく社員に、何かアプローチをしたいと考えています。加えて現在、社内のある部署からは「人がもっと欲しい」と要望を受けている状況。
彼は「世の中に転職エージェントはあるが、“転職させないエージェント”があってもいいのでは?」「転職リスクのある社員を“より社内で活躍できる環境”に配置できればベスト」と思案中です。
この提案に対し、ネット上では「これは欲しい制度!」「会社内にキャリアコンサルタント的な存在がいてもいいはず」「学校でいう“進路相談室”みたいな部署があるといいかもね」といった賛同の声が相次ぐことに。
実際に“転職検討中”という女性からは、「上司や同僚には言いづらいけど、そこまで離れていない人に相談したい“キャリアの話”って絶対にあると思う。残留か転職かも含めて、フラットに相談に乗ってくれる人がいるといい」とのコメントが。しかし中には、「でも相談内容が結局上司に筒抜けだったりすると怖い……」と警戒を示す人もいました。
話題を集める「退職代行サービス」
「何とか社員を引き留めたい」と考える人がいる一方、「どうにかして会社を辞めたい……」と頭を抱える人がいるのも事実。最近急成長を遂げているのが「退職代行サービス」で、次々と競合サービスが新規参入しています。
まず日本の法律をおさらいすると、“労働者は退職の2週間前までに会社に対して退職する旨を伝えれば、いつでも自由に会社を辞めることが可能”。また意思表示は「退職届」のみでOKとされています。ところが実態は「会社からの引き留め」や「なんとなくの辞めづらさ」が邪魔をし、なかなか動き出せない人も多いよう。
同サービスの先行企業である「EXIT株式会社」は、このジレンマに目をつけたサービスを展開。価格設定は30,000円~50,000円程度で、退職希望者に代わって“退職に必要な連絡”を企業に対して行います。実績はすでに数百件レベルで、これまで「退職できなかったケース」「企業から訴えられたケース」はゼロとのこと。
ネット上でも話題を集めており、「危機状態の人を安全な場所へ逃がすサービスは貴重」「実際に使ったことのある人が周りにいないけど、流行ってるんだね……」「でも辞める話くらい自分ですべきだよな、とも思う」といった賛否のコメントが多数。
会社に残る選択をしても、部署や上司が変われば見える景色も違うはず。外の世界へ飛び出す前に、改めて社内を見渡してみるのも1つの手かもしれませんね。