教える時の「1回しか言わないからね?」がプレッシャーになる
公開日:2020/8/27
職場に新しいメンバーが入った際、仕事を1から教えるのは先輩や上司の大切な役目ですよね。手順や伝え方を工夫して、なるべく早く一人前にしたいと思うもの。しかし“教わる側”にとっては、「言われるとプレッシャーに感じる言葉」があるようです。
「1回しか言わないからね」はアリ?
先日Twitter上で、製造業で働く30代の男性による職場での“あるシーン”に言及したツイートが話題になりました。「人にモノを教える時、『1回しか言わないよ』と前置きする人がいるよね。聞き手に集中させるためなんだろうけど、わざわざ相手に恐怖を感じさせてどうするのだろう」と、前々から感じていた疑問を投稿したのです。
この現場に遭遇したことのある人からは、賛同の声が相次ぐことに。「すごいわかる! いきなりプレッシャーかけてどうするんだろう」「むしろ大事なことだったら、何度も繰り返して教えるべきだと思うけどな……」「そもそも間違うと危ないものに関しては、口頭だけではなく書面で渡して教えるべき」といったコメントが上がっています。
一方で、何度か後輩の“トレーナー”を務めたという女性からは「前に、何度言っても“メモを取らない”後輩がいた。案の定何回も同じ質問をしてくるから、どうしても『1回だけしか言わないからね?』と宣言してしまいました」との経験談も。
賛否分かれる意見ですが、経験豊富なベテラン勢は「大事なのは『1回で吸収するぞ』という教わる側の姿勢だと思います」「教われることの“貴重さ”を自覚しなきゃ」と主張していました。
今どきの新入社員は「仕事で失敗したくない」?
「ゆとり世代」や「さとり世代」といった“世代”ごとのくくり。新入社員を迎える際は、ついこれらのイメージが先行してしまいますよね。株式会社日本能率協会マネジメントセンターは、「新入社員の働き方と指導者の接し方に関するアンケート調査」を実施。今どきの「新人指導の現場」について、実態を明らかにしています。
まずは、「バブル期入社」「氷河期入社」「2017年~2018年入社」の3世代間での比較。各世代とも70%を超える人が、「失敗を恐れず仕事に取り組むことが大切」という考え方に賛成しています。しかし「仕事で失敗したくないと思いますか?」にYESと回答した割合は、現代の新入社員世代のみが唯一の8割超え。
次に「上司と新人の関係」にまつわる結果をピックアップ。最近の新入社員のうち半数は、「メールやネット会議などができれば、上司や先輩が近くにいる必要はない」との意識を持っています。他にも、新入社員側は「一時的に負荷が増えても成長したい」と考えているのに対し、上司側が優先するのは「成長に繋がる仕事であっても、残業をさせないこと」。
上司と新入社員では、役割も違えば育った環境も異なります。「どのように指導していくか」に悩む企業は、意外と多いのかもしれませんね。