“熱意”を信じてはいけない!? ベテラン人事担当者が語る“熱意”の危うさ

ビジネス

公開日:2020/8/31

“熱意”を信じてはいけない!? ベテラン人事担当者が語る“熱意”の危うさ

 ネットや書籍で情報が飛び交う“面接対策”をテーマとしたノウハウ。採用側の企業によって“重視するポイント”は異なりますが、応募者側としては「熱意」を押す人も多いのではないでしょうか?

面接の場で“熱意”は不要?

 先日、面接時の熱意アピールについてTwitter上で議論が起きました。きっかけは、10年以上採用に関わってきた人事担当者による「採用面接の際、人の熱意を信じるべきではない」とのツイート。「言葉は簡単に偽装できる」「応募者が“何をしてきたか”の実績を見るべき」などが理由として添えられていました。

 また同様のことは“採用される側”にも言えるそう。「経営者の“熱意ある言葉”に流されると、ブラック企業の餌食になる」「人の熱意に頼った経営は危険。頼るべきは社員の熱意ではなく、“徹底したマネジメント”」とツイートは続き、Twitter上では共感の声が続出しています。

advertisement

 あるサラリーマンからは、「熱意なんて定量化できないからね。これまでの実績を数値化して提示した方がよっぽど有利」との声が。他にも、「『言葉はいくらでも偽装できる』って共感しかない」「会社から熱意ばかり要求されたら、雇われる身として不安になる」などの意見が上がっていました。

 しかし中には、“実績”に疑問を投げかける人も登場しています。「例えば『営業成績1位でした!』と言われても、どこまでが本人の実力かは未知だよね。“言ったもん勝ち”な部分もあると思う」との主張で、「確かにそれもそうだ……」「そうなると結局は“熱意を見る”しかないのだろうか?」といった反応が相次ぐことに。

 面接の場で人や会社を見抜くことは、そう簡単ではなさそうですね。

第一印象が採用に与える影響

 面接でもう1点ポイントとなるのが、見た目を含めた“第一印象”。株式会社マンダムが実施した「就活生の身だしなみと態度に関する調査」によると、熱意や実績の他に“パッと見の印象や雰囲気”を重視する企業は多いようです。

 まず採用担当者に尋ねたのは、「履歴書の証明写真から受ける印象は選考にどの程度影響しますか?」との質問。「大いに影響する」「やや影響する」と回答した割合は、67.4%と約7割近くに達しました。また「感じ取ることができる印象(容姿を除く)」については、「清潔感」との回答が65.8%で1位。

 続いて「履歴書の証明写真と、実際の姿にギャップを感じたことがあるか?」の問いでは、「プラスのギャップ」を感じた割合が88.1%。「マイナスのギャップ」についても、79.6%が“感じた経験アリ”と回答しています。またこれらの“ギャップ”は、選考にかなり影響するようで、「プラスのギャップが選考に影響する(74.6%)」「マイナスのギャップが選考に影響する(85.4%)」という“採用側の本音”も明らかとなりました。

 面接での振る舞いや履歴書の写真。いずれにおいても、等身大でいることが大切なのかもしれませんね。

こちらも読みたい

▶リモートワーク20年の先輩が解説。リモートワークで活躍する人の特徴とは?