犬がおなかを見せる本当の理由、オラついた性格の犬の見分け方…身近なのに知らなかった犬の本音

暮らし

公開日:2020/8/15

『いぬほん 犬のほんねがわかる本』(道雪葵:マンガ、今泉忠明:監修/西東社)

 ペットとして広く親しまれる犬。「カワイイ」「お利口」「忠誠心がある」など、犬の魅力は語りつくせない。かくいう私も愛犬家のひとり。そこで、ふと思った…、
「こいつ、本当はいったい何考えているのだろう?」と。
 
 毎日のように寝食を共にし、トイレの世話までしているわけだが、言葉で直接通じ合えない以上、理解できない部分があるのは当然だ。でももっと犬の本音が知りたい…そんな想いに応えてくれる1冊が、『いぬほん 犬のほんねがわかる本』(道雪葵:マンガ、今泉忠明:監修/西東社)だ。日々、疑問に感じていた犬たちのあるある行動を、マンガを交えて分かりやすく紹介してくれるのが本書。その中でも特に気になったポイントを紹介したい。
 
「確かにこんなことしてるなぁ、あるある!」なんて思いながら読んでみてほしい。

おなかを見せるのは本当に服従のポーズ?


 犬がおなかを見せる姿は「服従のポーズ」として有名。けれども、実はそうとも言い切れないそうだ。

 カナダの大学が、犬同士での腹見せ行動248例について検証したところ、服従の意味での腹見せは一度もなかったそう。なんと、あの服従ポーズには、急所の首を守る「防御態勢」や「反撃姿勢」、「単なるケンカごっこ遊び」という意味も含まれているのだ!

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 これまで飼い犬を叱っているときにおなかを見せてきたら「あぁ服従してるのね」なんて思っていたが…反省していると思いきや、意に介してないのかもしれない。なんだかガックリしてしまいそうだ…。

嗅覚が優れているせいでクサさも100万倍感じちゃう?


 犬の嗅覚は、人間より100万倍も鋭いといわれている。ということは、クサいものを嗅いだら大惨事になりそう…と疑問に思ったことはないだろうか? そこのところ、実際どうなのだろう。

 犬の嗅覚が優れているのは確か。でも、それは人間よりもにおいの情報をたくさん受け取れるということ。つまり、クサさを100万倍強烈に感じるわけではないのだ。

 犬は、気になったところのにおいを嗅ぐ習性がある。なので、あまりにも飼い主のおしっこを嗅いでいると感じたら、一度病院に行ってみてもいいかもしれない。もしかしたら、糖尿病やガンなど、命に関わる病気のにおいを感知しているのかも…。

オラついた犬と、穏やかな犬の見分け方


 散歩やドッグランに行くと、さまざまな犬種やいろんな性格の犬を目にする。中には、周りを寄せ付けないオーラを放った犬もちらほら。一方、犬たちが和気あいあいとかけっこしていたりもする。

 実は、彼らの性格はある部分に注目することで、ある程度見分けることができるという。その部分とは、ズバリ「耳」だ!

 祖先のオオカミに近い遺伝子を持った犬は耳がピンっと立ち、人に服従せずアグレッシブな性格をしていることが多いそう。特に、オオカミに近い柴犬やチャウチャウ、秋田犬などは、人にこびない性格をしているという。

 逆に、レトリーバーのような耳の垂れた犬は、威圧感がなく親しみやすい。愛情深く穏やかな性格をしていることが多いので、盲導犬や介助犬にはぴったりなのだ。

 本書では、この他にも飼い主と犬が似るといわれる理由や、恐怖を感じたときに飼い主にすり寄ってくる犬の心理などなど、ここで紹介したものを含め全部で100個の「犬のほんね」を紹介している。

 読み終わる頃には、自宅で、あるいは街中で見かける犬たちが、何を考えているかわかるようになれるかもしれない。犬好きのあなたも、そうでないあなたにも、ぜひ本書を手に取ってみてほしい。

文=冴島友貴