「ストレスでしんどい」「不安で眠れない」を自分で解決する100のストレス対処ワーク。即効性があるのは?
公開日:2020/8/20
「ストレスがたまって、しんどい」
「今心身がとても弱っている」
「先行きがなんとなく不安で眠れない」
そんなネガティブな気持ちから回復するために自分でできることは、どんなものだろうか?
『セルフケアの道具箱 ストレスと上手につきあう100のワーク』(伊藤絵美:著、細川貂々:イラスト/晶文社)が説くそのカギが「セルフケア」だ。著者の伊藤さんはカウンセリング歴30年で臨床心理士、公認心理師の資格を持つ心理カウンセラーである。本書では、ストレスマネジメント、認知行動療法、コーピング、マインドフルネス、スキーマ療法などの理論をもとにして、セルフケアに関する「100のワーク」を紹介している。
細川貂々さんによるかわいらしいイラストにも触れながら、自分の今の状態に合うワークを選び、その日から気軽に取り組むことができる。早速その一部を紹介しよう。
「呪いのことば」を紙に書き、くしゃくしゃにして捨てる
「呪いのことば」とは、「自分はダメだ」「自分さえ我慢すれば」「いつも完璧じゃないと」といった、自分にとってネガティブにはたらくことば。さまざまな対人関係や環境によって形成され、生きづらさにつながってしまう。そうした「呪いのことば」は、実際に紙に書いて捨ててしまおう。そして、「もっと楽しんでいい」といった「希望のことば」で心を埋めることがすすめられている。
コーピングレパートリーを外在化し、増やし続ける
ストレスの原因に対して、自分を守るために行う対処や工夫のことを「コーピング」という。それぞれのコーピング方法がどんな人に合うかどうかは、人や状況によって異なるため、自分に合うものを見つけておいて、いつでも使えるようにしておくことが大切だ。本書などを通じて見つけたコーピングレパートリーは、書き出して“外在化”すると、悩んだときにすぐに選んで使うことができる。
身体の一部にギューっと力をこめた後に、その力をパッと抜く
「今とにかくしんどい…」と悩んでいる人は、まず心を落ち着ける必要がある。「筋弛緩法」は、メンタルにもフィジカルにも効果のあるひとつの簡単な対処法。例えば、両手のこぶしを強くギューっと握りしめて、3つ数えたら力を抜いてみよう。そうして“力が抜ける感覚”を味わうと、心も落ち着かせることができるそうだ。ものは試し、早速試してみたいセルフケアだ。
“どうか皆さん、生きていれば、いろんなストレス体験があり、いろんな傷つきやピンチがあるかと思いますが、本書で紹介したワークを1つでも2つでも実践していただき、生き延びてください。生き延びる限り、自分自身を支え、助けてあげてください”
読者へ「生き延びてください」と力強いメッセージを送る伊藤さんの知見が、本書には100通りも詰め込まれている。ストレスフルな生活の一部に早速取り入れてみてはいかがだろうか。
文=えんどーこーた