肉も野菜も溶かすのに、胃酸で胃自体が消化されないのはなぜ?/毎日雑学
更新日:2021/1/3
身近なのに意外と知らない身の回りのモノの名前の由来や驚きの事実。オフィスで、家庭でちょっと自慢したくなる、知っておくだけでトクする雑学を、毎日1本お届けします!
この雑学では、胃酸によって胃が消化されない理由について解説します。
雑学クイズ問題
【胃液に含まれている物質とは?】
A.ヒスタミン
B.カテキン
C.カプサイシン
D.ペプシン
答えは記事内で解説していますので、ぜひ探しながら読んでみてくださいね!
胃酸によって胃が消化されない理由
【食べ物は何でも溶かしてしまう胃液】
皆さんは普段から食事をした後に、意識して胃の中の食べ物を消化していますか?
答えは当然NOですし、人間は無意識のうちに食べ物を消化して栄養を吸収しています。そして、胃の中で消化した食べ物は腸へと送られて、そこで栄養を吸収していることはご存じでしょう。
しかし、どんな食べものでも消化してしまう胃液が、なぜ胃そのものを消化してしまわないのか、不思議に思ったことはありませんか? 決して胃液の消化力が弱いわけではなく、むしろ強酸であり、ペプシンなどの物質の作用で大抵のものは溶かしてしまうほどなのです。
今回は、この胃液によって胃そのものが消化されないことのメカニズムを簡単に解説していきましょう。
【胃酸を防ぐ機能】
あまり知られていませんが、胃には胃液の強力な酸を防御する機能が備わっています。防御機能は常に働いていることから、胃そのものが吸収されずにいるんですね。大きく分けて、防御機能には以下の2つがあります。
・胃の粘膜から胃壁を守る粘液が分泌される機能
・胃壁から塩酸を中和する物質が分泌される機能
それでは、この2つの機能が具体的にどのように機能しているのか、みていきましょう。
【胃壁を守る粘液】
まずは、粘液について。この粘液は、胃液が分泌されそうになると、素早く分泌されて胃壁を保護するようになっています。
【塩酸を中和する物質】
続いて、塩酸を中和する物質。この物質は、粘液が分泌された後に粘液と胃壁の間に張り巡らされます。
このようにして、2つの防御機能が働くことによって、胃全体を強力な胃液から保護しているのです。この2つの防御機能があれば胃は守られているように思えるかもしれませんが、実はこの粘液と中和物質にも弱点が存在しているといいます。
【ストレスという弱点】
防御機能には、“ストレス”という弱点が存在します。
これは他の臓器にもいえることですが、胃は自律神経の乱れの影響を受けやすい臓器です。ストレスを抱え込んでしまうと、交換神経と副交感神経のバランスが崩れてしまい、胃壁や血流に悪影響を与えてしまいます。そして、影響を受けた胃の中では、防御機能である粘液の分泌量が減ってしまいます。
粘液の分泌量が減ってしまうということは、胃を守る力が弱まってしまうため、結果的に胃酸によって胃がダメージを受ける結果となってしまうのです。この状態が長く続いてしまうと、胃潰瘍などの病気が発症する可能性が高くなってしまいます。普段は二重の防御機能が働いているものの、防御機能が働かなくなれば、胃液によって胃そのものにもダメージを与えてしまうのです。
それでは雑学クイズの正解発表です、答えはもうお分かりですよね?
雑学クイズ問題解答
雑学クイズ問題の答えは「D.ペプシン」でした!
まとめ
胃は塩酸、たんぱく質分解酵素のペプシンなどを含んだ、強酸性の消化液である。
胃には2つの防御機能が存在し、胃酸を防いでいる。
1つめは「胃の粘膜から胃壁を守る粘液が分泌される機能」である。
2つめは「胃壁から塩酸を中和する物質が分泌される機能」である。
ストレスにより防御機能が弱まり胃酸のダメージを受けてしまうと、胃潰瘍にもつながる。
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