お金を増やしたいなら銀行や証券会社を信じてはいけない! その理由は?/お金は寝かせて増やしなさい②

ビジネス

公開日:2020/9/8

投資のプロではないフツーのサラリーマンが15年実践してきた、個人投資家目線の「お金の増やし方」を指南。
インデックス投資って何? 投資信託のメリット・デメリット、運用は何をすればいい? …これから始める人にもわかりやすく投資術と心構えを紹介します。『お金は寝かせて増やしなさい』(水瀬ケンイチ/フォレスト出版)からの試し読み連載です。

『お金は寝かせて増やしなさい』(水瀬ケンイチ/フォレスト出版)

インデックス投資の長期実践者が少ないのはなぜ?

 しかし、インデックス投資で儲けた人の話を、あまり聞いたことがないはずです。

 株で儲けて家を建てた人の話や、不動産投資で大儲けした人の話は、テレビや雑誌で見聞きしたことがあるのに(反対に、大損した人の話もよく見聞きすると思いますが……)。

 それもそのはず。
 日本にはインデックス投資の長期実践者がまだほとんどいません。

 なぜなら、日本でマトモなインデックス投資ができるようになってから、まだ10年も経っていないからです。

 15年前に日本でインデックス投資をしようとすると、ロクな商品はないわ、サービスはひどいわ……と、さまざまな困難が伴い、とても継続できる状態ではありませんでした。

 だから、日本にはインデックス投資の長期実践者がまだほとんどいないのです。

 私は『ウォール街のランダム・ウォーカー』の雷にうたれて以来、米国の主婦が当たり前のようにやっているインデックス投資を、四苦八苦しながらも、なんとかかんとか日本で継続してきました。

 しかし、実際の投資は、教科書どおりにはいきません。その経験をもとに、実践者の本音ベースのインデックス投資本を書こうと思いました。

 現在、私が住んでいるのは東京都大田区。
 梅屋敷という駅の近くで、小さな町工場が多い下町です。向かいのアパートでは、おばあちゃんが干した布団を叩いています。近所の公園では、都会ズレしていない素朴な子どもたちがワーワー言って元気に遊んでいます。

 梅屋敷商店街には昔ながらの八百屋さん、お肉屋さん、雑貨屋さんなんかがいつもどおりのんびり営業しています。路地裏には今日も野良猫がニャーンと鳴いています。

 そんな下町の梅屋敷商店街から、ほとんど手間をかけずに、遠く海の向こうの米国から、ヨーロッパ、アジアまで世界中に投資ができます。

 しかも、その投資成績は、米国の金融の中心であるウォール街の金融のプロたちの大半を打ち負かしていると言ったら、あなたは驚かれますか。

 ほとんど手間をかけずに、利益だけで高級車が何台も買える程度に資産が増えていると言ったら、あなたは驚かれますか。

 日本の下町発「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」が、米国の「ウォール街のランダム・ウォーカー」の世界に、皆さまをご招待します。
 大丈夫です。誰にだってできる投資法ですから。

私がインデックス投資をおすすめする理由

 インデックス投資とはどんな投資法でしょうか。
 本書では、『ウォール街のランダム・ウォーカー』で推奨されている「世界中に分散したインデックスファンドを積み立て投資して長期保有すること」をインデックス投資と呼ぶことにします。

「世界中に分散ってなに?」
「インデックスファンドってなに?」
「積み立て投資ってなに?」

 いろいろな疑問が頭をよぎるかもしれませんが、それはのちほどゆっくりとご説明するとして、ここではまず、私がインデックス投資をおすすめする理由をお話しします。

 私がインデックス投資をおすすめする理由は次の3つです。

①手間がかからないから
②実は世界標準のスタンダードな投資法だから
③お金の基礎知識として日常生活に役に立つから