「英語習熟速度に年齢は関係ない」 MITが発表した研究結果が話題に
公開日:2020/9/28
外国語学習につまずいた時、「もっと頭の柔らかいうちから勉強しておけば……」と嘆く人は多いかもしれません。しかし昨年、語学の習得に「スタートの年齢は関係ない」との研究結果が発表されました。
英語学習を始める時期に「遅すぎ」はない!?
MIT(マサチューセッツ工科大学)の科学者が明らかにしたのは、「20歳を超えた大人の英語習熟速度は、子どもと比べてもほとんど差がない」という内容。オンライン英会話を提供する「Chatterbug」のスコット・チャコンCEOが、研究結果の詳細を紹介しています。
この研究で対象となったのは、約67万人のネイティブスピーカーと英語学習者。英語学習者が何年目でネイティブに近しい英語力を身につけるか検証したところ、おおよそ「学習開始から7~8年目」という結果となりました。なお、学習開始から「1年目」であっても、「ネイティブの8割程度」まで力はつくそう。
同研究では、「18歳以前に学習を始めると、ネイティブのような英語文法を修得できる可能性が高い」ことも紹介されています。「18歳」が分岐点となる理由は、「18歳以前は勉強時間を確保しやすいが、18歳以降は就職や大学入学などで1日に規則正しく学習時間を確保できない」ため。
研究結果を受け、ネット上では「完全に誤解してた! 年齢のせいで覚えが悪いと思ってたけど関係ないんだね」「『Never too late』とは言うけど、まさにこのことだ」「本気でやれば1年でネイティブに近づけると思うと、俄然やる気が出てきた」と様々な反響が上がっていました。
第2の「苦手意識」が芽生える高校1年生
未成年・成人別での「英語に関する意識調査」を行ったのは、GMOインターネットグループのGMOリサーチ株式会社。日本人の英語に対する意識は、年齢と共にどう変化するのでしょうか。
まずは英語に対する「得意/苦手意識」についての質問。「得意」と回答した割合は「未成年」が30.8%、成人では13.2%でした。一方「苦手意識」を感じる割合は、未成年と成人のいずれも60%を超える結果に。
続いて「苦手意識」を持つ人に対し、「苦手意識を感じ始めた時期」を尋ねました。未成年・成人のどちらも「中学1年」がトップ回答となりましたが、「高校1年」を挙げる人も多数。高校1年は「より複雑な英文法や長文読解」が始まる時期で、苦手意識を覚える「第2の波」といわれています。
また具体的な「英語のスキル」では、未成年・成人共に「リスニング」や「リーディング」が得意な傾向に。一方で、「社会で求められるのはスピーキング力」と考える人も多いようです。
英語学習に対して「ハードルを感じるポイント」は、人それぞれ異なるもの。ただし、「年齢」だけは言い訳にしたくないですね。