「妻が言う ひとまず預かる 給付金」 コロナ禍をユーモアたっぷりに詠んだ『シルバー川柳』に爆笑の声!

文芸・カルチャー

公開日:2020/9/14

シルバー川柳10 スクワットしゃがんだままで立てません
『シルバー川柳10 スクワットしゃがんだままで立てません』(編:公益社団法人全国有料老人ホーム協会、ポプラ社編集部/ポプラ社)

 毎年恒例となる「シルバー川柳」の新作が掲載された『シルバー川柳10 スクワットしゃがんだままで立てません』が、2020年9月9日(水)に発売された。今年は新型コロナウイルスをテーマとした川柳が数多く集まり、ネット上で大きな話題を呼んでいる。

 同書に掲載されているのは物忘れや医者通い、ビミョーな夫婦関係など、高齢者の生活を扱った川柳の数々。どの作品もクスっと笑ってしまうようなユーモアが込められており、老いをポジティブに捉えているのが特徴だ。

 とくに注目したいのが、コロナに関連する川柳を中心にまとめた第1章。「要請を される前から 日々休み」「我家では 濃厚接触 とんとなし」「テレワーク やってみたいが 俺無職」など、シニア世代ならではの視点から時事ネタが織り込まれている。また「円満の 秘訣ソーシャル ディスタンス」「ばあさんの 手作りマスク 息できず」「妻が言う ひとまず預かる 給付金」といった作品など、定番の“夫婦ネタ”を組み合わせた川柳も多い。

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 混乱に満ちたコロナ禍を笑いに変える作品群に、SNSなどでは「切なくも面白くて、ついつい笑っちゃいますね」「センスの塊。笑っちゃう。感心しちゃう」「いやー、本当に面白い。シルバー川柳素敵すぎる!」「シルバー世代の方々のユーモアセンスはすごいですね。脱帽です」といった声が相次いでいた。

 シルバー川柳とは、全国有料老人ホーム協会が毎年「敬老の日」に向けて公募している川柳のコンテスト。2001年の開始以来口コミなどで人気を拡大し、作品を収録した書籍はシリーズ累計90万部を突破している。

 応募作品はシルバー世代の実感に満ちた“あるあるネタ”の他、その時々の世相や社会問題に触れたものが多い様子。昨年は新元号の「令和」や「生前退位」をコミカルに詠んだ川柳や、「メルカリ」や「セルフレジ」といった日常生活の新たなキーワードを取り入れた川柳が集まっていた。

 暗い話が多い現代社会を明るく照らす川柳傑作選。“人生の達人”たちによるパワー全開の言葉に触れて、明日を生きる元気を分けてもらおう。