身内の危篤や臨終は「いつ」「誰に」「どのように」伝えるか/知らないと恥をかく 50歳からのマナー②
公開日:2020/9/20
若い頃は知らないことでも、大人になると知っていて当たり前!? 年齢を重ねたことで初めて遭遇する、マナーの本質から実践までをこの1冊に集約!「マナー界のカリスマ」が書いた、知っておきたいマナーをイラストとともに紹介します。
身内が亡くなった直後の対応②
家族の危篤や臨終を告げられたら、誰でもショックは大きいですし、何も考えられなくなってしまうでしょう。そんな中でも、「最期に会いたい」「看取りたい」と願う親族や友人のことを思い、危篤の報をいち早く伝えます。
親や伴侶が闘病していたら、いざというときに連絡すべき相手と連絡先のリストは、事前に作成しておきましょう。危篤を知らせる際はまずは電話で、早朝や深夜でも、初めにお詫びをひと言添えれば、問題ありません。
訃報を伝えるタイミングは関係で変わる
「三親等までの親族」にはすぐに伝える
故人の三親等までの親族には、すぐに訃報を伝えるのが基本です。
三親等内には配偶者、親、子、孫、きょうだい、祖父母、おじ、おば、甥、姪、曾孫などが含まれます。特に親、子、きょうだいは、たとえ今は疎遠になっていても、危篤になった時点で連絡をします。
故人の「親友」と呼べる人物にも早めに
本人が最期に会いたいと望んでいた友人、知人にも一報を。故人の勤め先も、早めに訃報を伝える相手に含まれます。その会社によって異なりますが、一般的には、窓口は上司や人事課になります。
キリスト教式の葬儀で送る場合、臨終前に行う儀式があるので、牧師や神父にもすぐに連絡してください。
いずれも遠方の人には早めに知らせる一方、高齢や療養中など駆けつけるのが難しい相手には、急な連絡を控えます。
葬儀日程などの情報は後日でも大丈夫
三親等外の臨終に立ち会わなかった親族にも、亡くなったという事実だけは早めに知らせましょう。急逝だった場合は、簡潔に死因も伝えます。
最初の連絡では「葬儀の日程は改めてご連絡します」とだけ伝えて、葬儀日程が決まった時点で再度連絡をすると、先方に余計な負担をかけずに済みます。
故人の友人、知人、近隣住民、配偶者の同僚や子どもの学校の関係者などは、それぞれの代表の方に伝えた上で、必要な人へ連絡してもらいましょう。
「どのように訃報を伝えるか」も要注意
最初に電話で連絡。FAXやメールはその後
訃報は基本的には電話で伝えます。電話をして相手が不在だった場合は、その旨を書き添えた上で、FAXやメールでも伝えます。
故人の勤め先にも電話で訃報を知らせてから、FAXまたはメールで詳細を伝えるのがおすすめです。
SNSでの告知は、不要なトラブルの元
葬式までに時間的な余裕があれば、郵送で「会葬案内状」を出すこともあります。会葬案内状は一般的に、葬儀社が印刷の手配をしてくれます。
訃報をいきなりメールで伝える人もいますが、相手がご年配の方の場合は避けましょう。正しく伝わらないおそれがあります。SNSでの告知はトラブルが生じかねないので、避けたほうが無難です。
お墓の準備、霊園関係者への連絡
お墓などへの納骨は、四十九日や一周忌の法要に合わせて行うのが一般的です。故人が先祖代々のお墓に入る場合や、すでに墓地や墓を用意している場合は、納骨の日程を決める際に、菩提寺や霊園に連絡します。
墓地が決まっていない場合は、葬式が終わってから改めてお墓について情報を集め、家族で考えましょう。今後の自分たちにふさわしい方法を選んでください。
電話などで訃報を伝えるときの例文
用件を簡潔に伝えることが第一です。過剰な言葉遣いをせず、必要なことを間違いや抜けのないように話します。
故人の勤め先への電話
お世話になっております。
営業部営業二課 山田一郎の妻の二三子でございます。
かねてより病気療養中でした主人が本日早朝、他界いたしました。
これまで皆様に支えていただきましたこと、心より感謝申し上げます。
つきましては通夜は10月12日、葬儀・告別式は10月13日ですが、詳細はこのあとファクシミリでお知らせいたします。
なにとぞよろしくお願い申し上げます。
故人の知人・友人への電話
突然の電話で申し訳ありません。
佐藤太郎の長男の次郎でございます。
1月7日の早朝、父の太郎が亡くなりました。
生前は大変お世話になりました。
つきましては、通夜は1月10日午後6時から、葬儀・告別式は1月11日午前11時から、○○斎場(場所)にて仏式(神式、キリスト式)で行います。
恐れ入りますが、新田様(相手の名前)のほかに親しかった方がいらっしゃいましたら、お伝えいただければありがたく存じます。
喪主は私が務めますので、ご連絡をいただく際は、私の携帯電話000-0000-0000までお願いいたします。
FAXやメールの文面
※「3. その他」は葬儀形式を伝えるための行。神式の場合は「3. その他 神葬祭を相営みます」と書く。仏式の場合は行自体が不要。
※香典、供物を辞退する場合、「お供え 不祝儀につきましてはお心のみ頂戴し ここにご辞退させていただきたくお願い申し上げます」と記載する。