リラックスできるはずの「入浴」が、自律神経を痛めつけることも… 「入浴」は適温を意識しよう/かからない大百科⑤

健康・美容

更新日:2021/6/28

コロナ禍の「巣ごもり生活」で、心身ともに健康を保つための生活習慣とは? 『ホンマでっか!? TV』『世界一受けたい授業』などにも出演した疲労外来ドクターが、本当に正しい予防対策をわかりやすく解説。今すぐできる61の対策法から、一部をご紹介します。

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『かからない大百科 – 女性専門の疲労外来ドクターが教える本当に正しい予防対策61 – 』(工藤孝文/ワニブックス)

熱い湯が自律神経を痛めつける! 疲れた日は無理せず「シャワーで」

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無理な体温調整は自律神経に負担をかける

 入浴で体を温めると、リラックスして副交感神経が優位になったり、免疫を高めるヒートショック・プロテインというタンパク質が増えたり、血のめぐりがよくなったり、とたくさんの健康効果が得られます。

 しかし、湯温が高すぎると急激な体温調節が必要になり、かえって自律神経を疲れさせます。自律神経を酷使すると、交感神経と副交感神経のバランス調整がうまくできなくなるので注意して。入浴の適温は季節にもよりますが、自律神経に負担をかけない40度前後。時間は15〜20分です。

疲れたと感じる日は無理に入浴せずシャワーを

 ただし、体が疲れたなと感じる日には、無理に入浴せず、簡単にシャワーですませるほうが、自律神経への負担は少なくすみます。とくに夏の暑い季節は、冷たい食べものや、日中に冷房の効いた部屋と気温の高い室外との往復によって体温調節が頻繁に行われ、自律神経も疲れやすくなっています。体の調子と相談しながら、シャワーと入浴を適度に使い分けてみて。

 また、入浴後の急激な湯冷めも自律神経に負担をかけます。暑いからと、冷房に当たって涼む行為は厳禁です。

「あ、今日いい感じ♪」が続くコツ
なにごとも体に無理をかけないことが大切!

「眠れないな〜」という時は天井に息を吐きかけろ!

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腹式呼吸で副交感神経が優位になる

 巣ごもり生活で、寝付きが悪くなったと感じたら、就寝前にベッドの中で腹式呼吸をしてみてください。腹式呼吸をすると、横隔膜にある副交感神経が刺激されて心身がリラックスし、眠りやすくなります。

 腹式呼吸の正しいやり方は、お腹に空気を溜めるイメージで鼻からゆっくり長く息を吸い込みます。そして、倍くらいの時間をかけて口からゆっくり息を吐き出します。息を吐く時に、心の不安も一緒に外へ吐き出すイメージで行うと効果がアップしますので、実践してみてくださいね。

マインドフルネスや1分間瞑想も睡眠に有効!

 腹式呼吸のやり方がわからない人は、ベッドに入り、天井に向かって強く息を吐きかければOK。この時お腹が膨らんだり、凹んだりするのを感じてみましょう。

 腹式呼吸以外に、副交感神経を優位にするマインドフルネスや瞑想も有効です。マインドフルネスとは「今」に集中する考え方で、脳の疲れを解消する効果があります。不安や悲しみを司る扁桃体の暴走を抑える前頭前野が鍛えられ、精神の安定にもつながります。目を閉じて呼吸に集中する1分間の呼吸瞑想もおすすめです。

「あ、今日いい感じ♪」が続くコツ
寝る前の腹式呼吸や1分間瞑想を習慣に!

<第6回に続く>

もっと詳しく:Googleも研修として取り入れる「瞑想」「マインドフルネス」の効果・メリットとは? 習慣づける方法【保存版】