コミュ力はなくてもいい、空気は読まなくてOK…あなたをラクにする、新しい時代の仕事術とは?
公開日:2020/9/25
“「コミュ力」がなくても、仕事はうまくいく”
そう言い切るベンチャー企業経営者がいる。彼いわく、「コミュ力」という解像度の粗い言葉で考えるのではなく、因数分解して問題の正体を明らかにし、自分の得意不得意をきちんと把握すべし――。コミュニケーションに自信がない、あるいは苦手意識があるという人でも仕事で成果を出すために書かれたのが、『コミュ力なんていらない 人間関係がラクになる空気を読まない仕事術』(石倉秀明/マガジンハウス)だ。
石倉さんは、フルリモートワークで運営する株式会社キャスターの取締役COOを務めている。「読めない空気は読まなくていい」「無理に愛想よくしなくてもいい」などといったポイントが本書では45項目挙げられていて、ひとつの項目は2~5ページでまとめられているので気になった項目からでも読みやすいのが特徴だ。
読めない空気は読まなくていい?
空気が読めない…と悩んでいる人は意外と多いのではないだろうか。しかし、石倉さんはそれに対して「読まなくていい」と言い切る。リモートワークの企業では、逆に「空気を読む」のはご法度だという。
“非対面のコミュニケーションをするうえでやってはいけないことのひとつが「空気を読む」なんです”
直接対面することに比べて情報量が圧倒的に少ないため、「空気を読んでほしい」「察してほしい」といったコミュニケーションをしてしまうと、“ずれ”が生じて仕事に支障をきたすというのである。したがってキャスター社では、“空気を読まない”ことを推奨しているそうだ。
そして、対面の場合でも、空気を気にしすぎないで発言したほうが仕事が円滑に進むことに気づかされたという。
無理に愛想よくしなくてもいい
社会人になると、愛想よくふるまうことが求められることも多い。しかし、それが得意な人ばかりではない。愛想をよくすることに意識を向けすぎて、肝心の会話の内容に集中できていないことはないだろうか。
“「愛想がよくない」「気が利かない」という理由で、関係が破綻することってあまりない”と気づいたという石倉さんは、無理に愛想よくするのではなく、会話をきちんと成立させることに重点を置くようになったそう。
仕事の場面であれば、たとえば愛想がなくてもきちんとメモを取りながら話をすることで、真剣に話を聞いている印象を相手に与えられるだろう。これらの他にも、本書で紹介されている「魔法の質問」や、じっくりと話をするときの「座り方」などの具体的なポイントはどれも必読である。
ちなみに、本書の制作も石倉さんの会社の業務と同様に、フルリモートでSlackやZoomを用いて行われたそう。新しい時代の「本の作り方」にも注目だ。
文=えんどーこーた