中村ゆり「もうすぐ40歳。外見には内面がかならず表れるから、自分なりの魅力や美しさを見つけたい」【インタビュー】
公開日:2020/10/2
自然派志向の人だけでなく、コスメ愛好家や敏感肌の人にも話題の書籍「石けんオフ」シリーズ。ミネラルコスメを使ったメイクを楽しみ、肌に負担をかけない石けんで汚れまで一度に落として、トラブルの起こりにくい肌になる──そんな理念を説き続けてきた「石けんオフ」シリーズの最新刊『肌がきれいになる ──石けんオフメイク&知的スキンケア』(石けんオフメイク研究会/文藝春秋)が発売された。
第3弾となる本作からは、映画やドラマ、舞台など、さまざまなジャンルで活躍中の俳優・中村ゆりさんが「石けんオフメイク研究会」のメンバーに。実は10年前、石けんオフメイクを試したことがあるという中村さんに、お話をうかがった。
テクニックが必要だった10年前のミネラルコスメ。今はクオリティの高さにびっくり
──書籍内のインタビューによると、10年前にも石けんオフメイクを試したことがあるそうですね。
中村ゆり(以下、中村) ミネラルコスメが話題になりはじめたときに、試してみたことがあります。メイクさんから教えてもらって、「つけたまま眠れる」という謳い文句もあったので、使ってみたいなと思って。でも当時のミネラルコスメは、肌への馴染みなどの点で、私くらいのメイクテクニックでは使いこなせない感じがありました。
今回、この本の制作に携わるにあたって、ひさびさに石けんオフコスメを使ってみたのですが……あまりのクオリティの高さに、びっくりです! それでいて、肌にもやさしい。絶対に取り入れようと考えて、普段のメイクは徐々に石けんオフに切り替えています。
──「つけたまま寝られる」という点に魅力を感じたんですね。ひょっとして、「クレンジングやスキンケアはめんどうだ」と思われるほうですか?
中村 仕事で毎日メイクをするので、クレンジングはしっかりとするほうですよ(笑)。アイメイクなんかも、きっちり取りたいと思いますし。
でも、やっぱりめんどうではありますよね。石けんオフメイクは、お風呂に入るときにメイクまで一緒に落とせてしまうから、自分にはすごく合っていると思います。肌が揺らぎやすい方にはもちろん、美容に手間をかけたくないという方にも、すごくおすすめです。
──メイクやスキンケアは、そもそもお好きですか?
中村 早いうちから、もっと興味を持っていればよかったなと思っているところです。若いころの肌は充分にハリもあるし、「なにもしない可愛さ」というものもあると思うんですね。「ケアをすれば、自分に返ってくるから楽しい」と思えるようになったのは、大人になってからのことです。
それに、ビューティーの仕事をはじめてから、いろんなメイクをしていただけるようになったんです。毎回、知らなかったテクニックを知ることができ、「こんな顔にもなれるんだ」という発見があります。女性って、メイクで印象が変わりますよね。メイクは女性をハッピーにするし、自分もメイクによって気分が高揚するのを体験したので、自然に興味が湧いてきて、メイクやスキンケアの知識が欲しいなと思うようになりました。
まわりを見ると、きれいな人って、やっぱり努力をしているんですよね。最近は、若いころよりも自分の好きな“美”がわかってきて、「あんなふうに年を重ねていきたい」という目標ができました。だからスキンケアも、「好きなものを目指すために、続けてがんばろう」という気持ちになれるのかもしれません。
すっきり落ちて感激した石けんオフ。プライベートはいつも石けんオフメイクに
──石けんオフメイクに挑戦したいと思うのですが、「本当に石けんで落ちるのかな?」という不安もあります。中村さんは、そういった不安はありませんでしたか?
中村 私も最初はそう思っていました。だから、顔を濡らさない状態で石けんオフしてみたんですよ。濡れていると、クレンジング力が弱まっちゃうんじゃないかなと思って……そうしたら、ぜんぶすっきり落ちちゃった!「本当に落ちるんだ」と感激しました。
今は、お風呂に入るときに、濡れた状態で石けんオフしています。たとえば、小鼻のあたりのメイクが落ちていないなと感じたら、そこだけ二度洗いするとか、工夫して。
石けんオフメイクは、肌に載せた感じがとても軽いんです。機能についても、石けんオフではないものと変わりません。発色もいいですし、石けんオフでない化粧品よりも、むしろツヤっぽい質感に仕上がることもある。最近、プライベートでは石けんオフメイクばかりですね(笑)。
──お気に入りの石けんオフコスメや、スキンケアアイテムは?
中村 今はETVOSを使っています。特に、新作のハイライト(ミネラルラディアントスキンバーム)が好き! キメの細かい光で、不自然なテカテカ感がなく、素肌にしか見えないツヤっぽさが出るんですよ。役柄に合ったメイクにこだわる女優の仕事で、メイクにハイライトを使うことはほとんどありません。そのぶん、プライベートのメイクはツヤツヤさせたいんです(笑)。
スキンケアアイテムで手応えがあったのは、書籍の愛用コスメコーナーでも推薦した、タカミのAPSソリューション10。高濃度ビタミンC化粧液です。美顔器などで導入すると、肌のトーンが上がるんですよ。「ちょっと肌の調子がよくないな」というときに使います。肌にとって、ビタミンCって大事なんだなと実感しました。
──この本の中で、気に入っているメイクはありますか?
中村 下地やハイライトでリッチな潤いを引き出した肌に、テラコッタカラーを載せたワントーンメイクです(26ページ)。媚びないかっこよさがあるけれど、ちゃんと女性らしい雰囲気もある。マニッシュで、自分の理想の女性像を体現するような、絶妙なメイクをしてくださったなと思います。
──この秋は、どんなメイクを楽しみたいと思われますか?
中村 私も、もうすぐ40歳。とはいえ、守りに入る必要もないと思いますし、自分の見せ方はうまく足し引きができるようになれたらいいなと考えています。たとえば、目元は抑えめにメイクをして、口元にだけちょっと秋っぽい色を使うとか、どこかで抜け感のようなものを作るのが「大人の知的メイク」なんじゃないかなと。
その上で、ちょっとエッジのきいた色を使うなど、コンサバになりすぎない、でも誰でもチャレンジできる、今っぽいメイクがじょうずになりたいと思っています。
日々ちょっとした努力を重ね、あたりまえの老いは受け入れていきたい
──本書のタイトルは『肌がきれいになる』ですが、中村さんにとって「きれい」とはどういった状態でしょう?
中村 人にはそれぞれの美しさがあると思いますが、美しさの種類にも、その人の人間性が出るなと考えているんですよ。「肌がきれいなまま年を重ねたい」「もっときれいになりたい」と思う気持ちもありますが、外見には内面がかならず表れるもの。豊かな内面が映し出された表情で、シワさえも魅力的に見えるような女性像が、私の理想です。
もちろん、すごく美意識が高くて、もっと美しくなりたいと思っている人には、その人にしかない美しさがあると思います。でも、人は、外見の美しさだけに惹かれるわけではないし、相手を「素敵だな」と思うのは、「見た目がきれいだから」ということのみが理由じゃない。誰かをモデルケースにするのもいいけれど、中身もともに成熟していくような自分なりの魅力や美しさを、私も見つけていきたいですね。
とはいえ、ただぼんやりと年を重ねていくのも嫌なので(笑)、まず自分が今、気持ちいい場所にいることを意識しながら、日々ちょっとした努力を重ね、あたりまえの老いは受け入れていく。それが自分の理想です。
──肌の内側からきれいになっていく石けんオフメイクは、中村さんの理想にも合っているのかもしれませんね。
中村 石けんオフメイクのスタンス自体が、身軽な感じがしますよね。一生懸命がんばるというよりも、自分に気持ちいいことをしながら肌にもやさしいという軽やかな楽しみ方が、自分の性質にも合っていると思います。
取材・文=三田ゆき 撮影=内海裕之
なかむら・ゆり●1982年、⼤阪府出⾝。15歳でアイドルデビュー。21歳で女優に転身し、映画、TVドラマ、舞台で途切れることなく活動を続ける。30代後半でその美しさが改めて注目され、『美的GRAND』(小学館)など女性誌で美容モデルとしての活動も。現在、朝ドラ『エール』(NHK)や⽔曜ドラマ『私たちはどうかしている』(⽇本テレビ系)に出演中。2021年公開予定の映画『愛のまなざしを』が控えている。
◎スタッフクレジット
ヘアメイク=AYA(LA DONNA) スタイリング=辻村真理
◎衣装クレジット
ワンピース¥28,000/ア ピューピル(UTS PR)
パンツ¥36,000/イン-プロセス トーキョー(ススプレス)
ピアス¥38,000、リング¥35,000/ともにルフェール(UTS PR)
靴/スタイリスト私物
UTS PR 03-6427-1030 ススプレス 03-6821-7739