パラリンピックの「パラ」って何? 戦争がきっかけだったその誕生秘話/毎日雑学
更新日:2021/1/3
身近なのに意外と知らない身の回りのモノの名前の由来や驚きの事実。オフィスで、家庭でちょっと自慢したくなる、知っておくだけでトクする雑学を、毎日1本お届けします!
この雑学ではパラリンピックのパラの意味や由来、パラリンピックがいつから開催されるようになったのかを解説します。
雑学クイズ問題
パラリンピックの第1回大会はいつ?
A. 1896年
B. 1932年
C. 1960年
D. 2000年
答えは記事内で解説していますので、ぜひ探しながら読んでみてくださいね!
パラリンピックのパラの意味や由来、いつから始まったのかを解説
パラリンピックにも注目
パラリンピックは、障がいのあるトップアスリートが出場できるスポーツの祭典。応援する人にとってもパラリンピックの魅力が再注目されています。今回はそんなパラリンピックの「パラ」の意味や由来、そしていつからパラリンピックが開催されるようになったのかを紹介します。
パラリンピックの由来は戦争
パラリンピックの「パラ」の意味を解説するために、まずはパラリンピックが開催されるようになった由来を紹介しましょう。
実は、パラリンピックが開催されるようになった背景には戦争の存在があります。
パラリンピックの原型となったスポーツ大会が初めて開催されたのは1948年7月28日で、ロンドンオリンピックの開会式と同日に行われました。その当時は、まだパラリンピックという名称ではなく「ストーク・マンデビル競技大会」という大会名で開催されていました。大会名のストーク・マンデビルは「ストーク・マンデビル病院」という病院名が由来となっており、この病院では第二次世界大戦で脊髄を損傷した兵士を中心にリハビリが行われていました。
当時は脊髄を損傷した兵士に対して医者も匙を投げてしまうケースがあり、兵士たちは寝たきりの生活が続き、生きる希望をなくして亡くなってしまったり、欝病になってしまうケースも多かったそうです。ストーク・マンデビル病院ではそうした兵士たちのリハビリの一環として、手術ではなくスポーツをすることを推奨したのです。スポーツに取り組むことによって負傷した兵士は人間として生きる希望を取り戻し、こうした試みがパラリンピックの開催へとつながっていきました。
パラリンピックの「パラ」の意味とは?
続いて、パラリンピックの「パラ」の意味について紹介しましょう。
パラリンピックの原型となった「ストーク・マンデビル競技大会」は主に脊髄を損傷した兵士たちのスポーツ大会であることを説明しました。当時は、脊髄を損傷し下半身不随になってしまった兵士のためのスポーツ大会であることから、下半身不随などにつながる麻痺を意味する「paraplegia」と「olympic」を繋げて「paralympic(パラリンピック)」とされたといわれています。一方、パラリンピックという名称が正式にIOC(国際オリンピック委員会)に認められた1985年以降には、既に下半身不随以外の身体障がい者も多く大会に参加していました。そのことから、オリンピックと「並行(parallel)」して開催されているという意味合いで「parallel + olympic」で「paralympic(パラリンピック)」と呼ばれているそうです。
パラリンピックはいつから始まった?
最後にパラリンピックがいつから始まったのかについて紹介しましょう。
パラリンピックの第1回大会は、1960年の第9回ストーク・マンデビル競技大会がそれにあたります。第9回なのになぜ第1回大会? と思われる方も多いかと思いますが、第9回ストーク・マンデビル競技大会から、会場が病院から、その年のオリンピック開催都市であるローマへと移されたからなのです。さらに、公式にパラリンピックという名称で大会が開催されるようになったのは、1988年開催のソウルパラリンピックからのことでした。
パラリンピックの第1回大会である第9回ストーク・マンデビル競技大会には23カ国から代表として400人の選手が出場をしていました。そして、公式にパラリンピックとなったソウルパラリンピックでは61カ国から4000人の代表選手が出場する大会となったのです。
以上がパラリンピックのパラの意味や由来、パラリンピックがいつから開催されるようになったのかについてでした。いかがでしたか?
それでは雑学クイズの正解発表です、答えはもうお分かりですよね?
雑学クイズ問題解答
雑学クイズ問題の答えは「C. 1960年」でした!
まとめ
パラリンピックの原型となったのはストーク・マンデビル病院で開催されていた「ストーク・マンデビル競技大会」というスポーツ大会である。
ストーク・マンデビル病院では第二次世界大戦で脊髄を損傷した兵士のリハビリを行っていたことから、リハビリの一環としてスポーツ大会が開かれるようになった。
1960年からはオリンピックの開催地でストーク・マンデビル競技大会が開催されるようになったため、パラリンピックの第1回大会は1960年だとされている。
パラリンピックという大会名が公式となったのは1988年のソウルパラリンピックからである。
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