聞くだけで赤ちゃんが眠る! “魔法の音楽”で我が子を寝かしつけてみた!
公開日:2020/10/4
隣の部屋で眠る妻に「椅子をずらす音がうるさい」「音を立てないようにドアを閉めろ」「夜中に仕事しなきゃいけないの?」……「赤ちゃんが起きちゃうでしょ!」と叱られた。
息を殺すような生活をしなきゃならんのかとケンカになったが、妻がキレるほど「赤ちゃんの寝かしつけ」は大変で、時間のかかるものだと再認識し……猛省した。本当にごめんなさい。
「博報堂こそだて家族研究所」の調べ
によれば、3歳未満の子どもを持つママたちが子育てをする中で最も悩んでいるのが「子どもの寝かしつけ」だという。
7割以上のママが寝かしつけにストレスを感じ、6割以上のママが寝かしつけに悩んでいるというアンケート結果も出ている。寝かしつけにかかる時間は、30分以上が6割、60分以上が15.6%だそうで、寝かしつけは毎日繰り返される困難なミッションなのだということがうかがい知れる。
そんな、悩める親の皆さんにオススメしたいのが『睡眠の名医が教える 聞くだけで赤ちゃんがぐっすり眠る魔法の音楽』(神山潤:著、大矢たけはる:音楽/SBクリエイティブ)だ。
本書は、睡眠の名医である神山潤氏による「寝かしつけQ&A」と、ミュージッククリエイターの大矢たけはる氏による「魔法の音楽8曲」を収録したCDからなる「CDブック」だ。
類似の書籍やCDが数多く世にある中で、神山医師と大矢氏は「赤ちゃんと相談すること」に重点を置いて、楽曲を作成したという。
「試作段階の音源」「完成版のCD」2段階で、全国の保育園で試聴アンケートを行い、のべ1400人ほどの保育園や乳児期の子どもたちに聴いてもらったところ、「子どもが良く眠ってくれた」という結果が得られた。
ということで、我が家のベビーベッドの主である、りんりん(生後3か月)に、「魔法の音楽」を聴いてもらうことにした。
りんりんにこのCDを聴かせたのは「少しぐずり始めた」「何時間も遊んでいるのに眠らない」という「そろそろ寝てほしいな」というタイミング。
何度かトライしてみたところ……眠ってくれるときと、そうでないときがあった。魔法が効かなかったのは……「このCDだけを聴かせた」ときで、良く眠ってくれたのは「他の音楽を聴かせた後で、このCDを聴かせたとき」だった。
というのも、ウチのりんりんは、メリー(音楽が鳴って飾りがクルクル回るアレです)が大好きで、音楽が鳴ると、パブロフの犬のように大はしゃぎしてしまうのだ。
その反応は、メリーから流れる曲だけに限らないので、この「魔法の音楽」も、いきなり聴かせると「音楽キターッ!」と嬉しくなってしまうようで、あまり寝てくれない。
しかし、メリーの音楽を流し、少しはしゃいだあとで、クロスフェードするように「魔法の音楽」に切り替えていくと、良く眠ってくれるのだ。同じ「魔法のCD」をかけているのに何が違うのだろうか?
作曲者の大矢氏のコメントには――「このCDの曲は“睡眠をサポートするバックグラウンドミュージック”であり、集中して聴く目的で作られていない」――入眠を促す目的で作られている、とある。
あくまでも「聞き流せる」音楽であり、2、5、8曲目には、赤ちゃんがお母さんのおなかにいたころに聞いていた「心音」もミックスされており、「音楽を意識せず、心地よく脳がやすらげる」ように作られているのだ。
それでナットク! メリーの「意識する音楽」でスイッチが入ったウチの子は、少し遊んで疲れ始めたところに「眠りやすい」「魔法の音楽」が流れてくるために、同じ音楽を聴いているのに「あれ、寝ちゃってる」となったのではなかろうか?
本書のCDを聞かせたら、どんなときでも赤ちゃんが寝てくれると言うつもりはないが、この「魔法の音楽」には、赤ちゃんの眠りを手助けする力があると感じた。
すべての赤ちゃんは、それぞれ性格や体質や日々のリズムも異なるので、その赤ちゃんのタイミングに合わせて、「魔法の音楽」をスッと流してあげられれば、効果は高いと思うので、このCDを手に入れたのなら、色々と試してみてもらいたい。
また、CDだけではなく、本書には「スッキリ解決! 寝かしつけQ&A」のコーナーも充実しており、赤ちゃんは何時間眠ればよいのか? 部屋の明るさはどうしたらよいのか? 寝相が悪いけど大丈夫か? といった赤ちゃんの状態・状況に関する質問や、早く寝かしつけるとパパとの時間が取れない、読み聞かせしながら自分が寝てしまったけど……といった親側の不安などに、神山医師が長年の経験と知識の裏付けをもって答えている。
「赤ちゃんの睡眠のきほん」についても、わかりやすく説明されているので、CDを聴いて赤ちゃんが寝ている間に少しずつ本書を読むと、不安や疑問が解消されて、その日の夜は、親であるあなたもぐっすり眠れることだろう。
文=水陶マコト