羽生結弦や錦織圭も実践!? 「寝てもとれない疲れ」に効果的な疲労回復の入門書が文庫に
公開日:2020/10/2
本日発売の「文庫本」の内容をいち早く紹介!
サイズが小さいので移動などの持ち運びにも便利で、値段も手ごろに入手できるのが文庫本の魅力。読み逃していた“人気作品”を楽しむことができる、貴重なチャンスをお見逃しなく。
《以下のレビューは単行本刊行時(2017年9月)の紹介です》
「身体が重い」「頭がぼ~っとする」「いつも眠い」といった病気未満の身体のだるさがとれない。このだるさをなくそうと、いつもより多めに睡眠時間をとる、ゆっくりと風呂につかる、スタミナのつくものを食べるなど試すも、あまり効果を感じなかった。「あれ? もしかして、自分が怠け者だからなのかも…」なんて考えてしまう始末。
どうやら自分の体質に合った対策をとらないと、溜まった“疲れ”は改善されないらしい。そんな体質ごとの解決方法が語られているのが『寝てもとれない疲れをとる本』(中根一/PHP研究所)だ。著者の中根一氏は現役の鍼灸師。医学の知識とこれまでの経験を踏まえ、休息の質を上げるための極意を伝授してくれる。
ちなみに鍼灸師をご存じだろうか。私は、本書を読む前は、何となく「お灸を据える」時に「針治療を行う」お医者さん程度の知識であった。しかし、鍼灸は「何となく不調な」時に不調が別の不調を引き起こさないよう、末永く健康でいられるようにするための東洋医学の一部とのこと。
そして、鍼灸の注目度は近年高まりを見せている。アメリカの陸・海・空・海兵隊全ての軍で鍼灸を正式に導入。さらに、フィギュアスケートの羽生結弦やテニスの錦織圭といった世界で活躍するトップアスリートたちも鍼灸を取り入れているのだ。体調の維持・管理が勝敗のカギを握る彼らが取り組む鍼灸。一般人の我々が試してみてもきっと効果があるはずだ。
本書では、はじめに自分の体質を知るためのフローチャートが記載されている。「肩こりを感じますか?」「目の疲れを感じますか?」「イライラしやすいですか?」といった質問に答えていくことで「木」「土」「金属」「水」の4種類に分類。この結果に応じて、自分に合った疲れのとり方を提示してくれている。
例えば、「木」タイプであれば「一時間集中したら10分休むなど、意識して休みをとる」「ガムを噛む」。「土」タイプなら「チョコレートを1粒食べる」「お腹が空いたら葛湯を飲む」。「金属」タイプは「乾布摩擦」「歌う」。「水」タイプは「15分の仮眠」「味噌汁を飲む」といったことをすると、体質的に疲れがとれやすいとのことだ。その他にもタイプごとの疲れの傾向や疲れのサインなども書かれている。しかも、簡単な性格診断もあるので、ちょっとした占い気分で調べてみるのも面白そうだ。
ちなみに私は「水」タイプ。腰が低く、愛想のいい人気者で体力や根気が続かない。疲れのタイプとして、外見に現れる体質。疲れのサインは髪がパサつく、肌がくすむ、身体の動きが鈍くなる、聞き直しが多くなるなど。確かに疲れが外見に現れる。特に動きが鈍くなり、集中力が途切れ、聞き直しが多い。まぁ、人気者であるかどうかは疑問だが。
また、「疲れにくい身体」を作るためのちょっとしたコツも本書で紹介しているので、簡単にお伝えしたい。
1、「入浴」の後に「食事」「就寝」する
2、15分の昼寝を取り入れる
3、上手に息抜きする
4、リラックスしすぎない
5、汗をかきすぎない
6、ツボ押し・お灸を活用する
これらに気を付けることで慢性的な疲れから解放されるそう。ちょっとした工夫で改善されるなら試してみたい、という人は少なくないはず。
本書でも述べられているが、「休まなければいけない」「15分仮眠をとらなければいけない」など「しなければならない」という考え方は逆に疲れてしまうもの。著者曰く自然な治癒力が発揮されるのは「フィールグッド」な状態。つまりは「何だかいい感じ」という感覚なのだとか。まずは、職場でも家でも肩肘張らず「何だかいい感じ」を目指してみよう。
文=冴島友貴