PDCAサイクルでぐんぐん部下が育つ! 魔法のツール「部下ノート」の書き方を公開/部下ノート①

ビジネス

公開日:2020/10/5

1万人の上司が成果を実感! 部下が育てばあなたの会社からの評価も上がる。人事業務のプロフェッショナルである髙橋恭介・望月禎彦共著『簡単なのに驚きの効果 「部下ノート」がすべてを解決する』(アスコム)より、ダメな部下をできる部下へと成長させる新メソッドをご紹介します。

「部下ノート」でPDCAサイクルは簡単に回せる

では、部下ノートの書き方を説明していきます。

皆さんは、事業活動、生産活動を促進するためのPDCAサイクルという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

簡単に説明すると、P(Plan)・計画を立てて→D(Do)・実行する→C(Check)・確認する→A(Action)・改善する。この流れで管理をするという手法で、今では多くのビジネスパーソンが実施しています。

部下ノートは、まさに次の図のように、PDCAの流れに沿って部下を育成するためのツールなのです。


部下ノートは日々の仕事のなかでの部下の気になった行動や言動をメモするのはもちろんですが、上司であるあなた自身が部下に対してとった行動や指導なども書き留めていくノートです。

そして、ノートの効果を確認するために、あなたの指導やアドバイスによって部下の行動がどう変わったのか、そしてどう成果に結びついたのかをチェックしていくためのツールでもあります。

PDCAサイクルでいうところのどういうことを部下に言ったのか、それがどうなったのか、というCとAの部分は、特に意識を向けずに、ただ、計画を立てて実行する、すなわちPとDを繰り返している人も少なくないのではないでしょうか。それでは、部下は育ちません。

うまく、PDCAが回っていない状態です。

大切なことは、仕事上で部下に起きている事実を正確にとらえること。

事実を細かく掴つかんでいくには、たまにしかやらない面談ではなく、瞬間の積み重ねが重要です。

そこで得られる情報から、部下の性格や特徴、仕事のやり方、仕事に対する考え方、上司に対する思いや上司の言葉の受け止め方、さらに仕事そのものの進め方の課題や問題点なども見えてきます。

「書き続けるのは、面倒くさい、そんなノートをつけるよりも、自分でやったほうが早い」

そんなふうに考えている人もいるでしょう。しかし、部下ノートは、部下が育つことで上司の負担を減らすツールでもあります。

あなたがどれだけ有能であったとしても、1人でできる質と量には限界があります。あなたが、会社から求められる仕事の量と質を保つには、部下の育成が欠かせません。

会社としては、部下を持っている責任者は、部下に任せられるところは任せて、事業計画や業務改善など、上司にしかできない責務を果たしてほしいと願っているはずです。

もし、あなたがプレイングマネージャーであるなら、部下に仕事の一部を委譲することで、自分の仕事がはかどるというプラスもあるでしょう。

経営の神様といわれている松下幸之助も、責任者がやるべきこととして、仕事を任すことが大切だと述べ、ただ任せるのではなく、随時報告を聞き、適切なときに、的確な指導、助言を与えなければならないと言っていたそうです。

部下ノートこそ、部下に仕事を任せ、適切な指導、助言を行うために役立つはずです。

具体的な部下ノートの流れは、

STEP1 気になった部下の行動を書く。

STEP2 部下に指導したことを書く。

STEP3 部下の行動が変わったか、成果につながったか○△×でチェックする。目安は部下の行動は1週間後、成果につながったかどうかは3週間後。

STEP4 今後の指導を考える。

といったものになります。


【次回に続きます】