まずは悪口からでもOK!ノートに書くことで部下を観察する力が身につく/部下ノート②

ビジネス

公開日:2020/10/6

1万人の上司が成果を実感! 部下が育てばあなたの会社からの評価も上がる。人事業務のプロフェッショナルである髙橋恭介・望月禎彦共著『簡単なのに驚きの効果 「部下ノート」がすべてを解決する』(アスコム)より、ダメな部下をできる部下へと成長させる新メソッドをご紹介します。


まずは部下の悪口でもOK!

ノートの上の欄、部下の行動を書くスペースには、部下がしたことを書きます。部下が複数いる場合は、誰のことかわかるように、名前やイニシャルなどを明記してから書くようにしましょう。

仕事中のことなら、書く内容はなんでも構いません。

たとえば、部下が新入社員なら、環境に慣れていないことや仕事のやり方を覚えていないことで失敗することも多いと思います。

どんな失敗をしたのか、忘れ物があったのか、手際が悪かったのか。

あるいは、指示した内容をまったく理解していなかったのか。何度も同じことを聞き返してきたのか。

書くことはいくらでもあるはずです。

思いつかなければ、悪口でも構いません。

書いていると、意外とすっきりとしてきてストレスが発散されるもの。

これも、部下ノートの副次的な効果なのかもしれません。

ただ、「あいつむかつく」「あいつ言うことを聞かない」など、単なる悪口の羅列では、単なるストレス発散になってしまうので、○○だから、むかつく。○○と言っても○○しない。本当にあいつは言うことを聞かないなど、具体的な悪口にしましょう。

もちろん書くことは部下の悪口や失敗ばかりとは限りません。

部下のことを観察していると、自分が言う前に資料が用意されていたとか、誰よりも早く出勤しているとか、机がいつも整理整頓されているとか、思わずほめたくなるようなことを発見することもあるはずです。

売上目標を達成したとか、取引先からほめられたとか、いつもより1時間も早く終わったとか、誰もが認める結果を残すこともあるはずです。

部下の口癖や日課になっている行動、自分との会話で気になったことなどを書くのもいいでしょう。

部下のことであればなんでも書いていいのが、このスペース。

悪口でも構わないので、とにかく思いつくままに書いてみる。

それが部下ノートのスタートです。

誰に見せるわけでもないので、部下のいいところ、悪いところをどんどん書くようにしましょう。

「部下を育てる」と、書き始めから肩に力を入れることはありません。子どもの頃につけた植物の観察日記のようなものをイメージしてください。「水をやり始めた」「芽が出た」「葉が伸びてきた」「花が咲いた」という具合です。

部下ノートの効果を得たいなら、まずは書く習慣をつけること。

ですから、最初の1週間は、内容よりもノートを書いたかどうかをポイントにすることです。

1週間書き続けられれば、部下のいいところも自然に見えてくるようになります。

それだけ部下を観察する力がつくということです。

「この人はこうだったんだ」とか、「えっ、こんなことをしていたの」とか、部下の新たな一面を発見できるようになったら、それだけで部下ノートの効果があらわれたということです。

【次回に続きます】