突然「学校に行きたくない」と言われたらどうする? 理由を聞いてみたけれど…/子どもが学校に行きたくないと言ったら読む本①
公開日:2020/10/19
登校しぶりはある日突然に起こる!?
●登校しぶりはケースバイケース
登校しぶりのマンガ、いかがでしたか?
もし、あなたがお子さんの登校しぶりで悩んでいるなら、わが家の場合と似ているところがあったでしょうか? それとも全然違ったでしょうか?
登校しぶりの場合は、本当にケースバイケースで、一つひとつ違っているので、違うと思われた方も多いかもしれません。
このマンガの樹くんは大声で「行きたくない」と泣き叫んでいますが、このように発散できず、はっきりしないけれど行けないということもあるでしょう。
しかし、カウンセラーという立場で、不登校や登校しぶりのケースに長年関わった立場から見ると、表面にあらわれている事態の奥に隠されている、起きているできごとの意味は大きくいって同じことが多いものです。そのため、この本の道しるべになるようにこのケースをマンガで紹介しました。このケース自体も、なかではよくあるものを選んでいます。
このマンガには、この本全体のテーマがたくさん含まれていますので、ここで1つずつ軽くふれておきましょう。
●まず学校に原因を探しがちだが……
元気に育っていた子どもが急に「今日は学校に行きたくない」と言ったら、多くの親は「そんなこと言わないでがんばって」と言うでしょう。そしてそのとき親が知りたいと思うのは、なぜ学校に行きたくないか、その理由ですよね。このお母さんも、学校で何かイヤなことがあったんだろう、あるんだろうと最初考えていますよね。親は原因探しをしたくなるし、「原因を解決すれば行ける」という図式を頭の中にもっているものです。もちろん、この後のページでふれているように、登校をしぶるきっかけは学校でのできごとであることも多いものです。でもここで知っておいてもらいたいのは、人間は、原因がわかっても気分がすぐれないときがたくさんあるということ。原因を解決したからといって、学校に元気に行けるかどうかは別だということです。
もう1つ大事なことは、この本の中で何度も出てきますが、子どもは大人と比べて、思っていることをちゃんと言葉にできないということです。樹くんも、一応理由らしきものをしゃべっていますが、これが偽の理由のこともあるのです。本当の気持ちはうまく言えないものだからです。
そしてマンガの樹くんの場合は、どうやら学校には、これといって原因はなさそうですね。